片翼を君にあげる④
第1章

(1)ツバサside


『!っ……ちょ!やめてよッ、汚い!』

第一印象は、正直あまり良くなかった。
でも、差し出した俺の手を振り払った君は、心の中でとても後悔していた。
どうしていいのか分からないだけで。
ただ素直になれないだけで。
本当は優しい子なんだってすぐに分かった。

いつから好きだったのか、なんて分からない。
俺が半分に割って渡した甘いお菓子を、嬉しそうに受け取る君の笑顔が、いつの間にか俺の中に強く焼きついていた。

そして、

『私……嫌だ!』

『みんなと、もうっ……遊べないなんてッ。
ツバサと会えなくなるなんてッ……嫌っ!』

そう言いながら涙を流す姿に、君が他のみんなとは違う、ってようやく自覚した。


レノア。
あの時からずっと、俺の気持ちは変わらない。

君を、護りたいーー。

絶対に君を笑顔にする。
絶対に君を独りになんてしない。

必ず必ず、俺は君を救ってみせる。

……
…………。
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