もっと、甘くして。

私、橋本陽奈乃(はしもとひなの)には幼なじみがいる。

背が高くて、かっこよくて...みんなから人気がある人。


私なんか、内気で大人しかったから、相手にもされないと思ってたけど。

でも、私はそんな彼が好きだった。

...だけどあのことが起きた以降、好きじゃなくなってしまった。




数年前。


小学生だった頃の私は初恋をした。

クラスメイトの高山咲也(たかやまさくや)くんに。


好きになったきっかけはすごく単純。



クラスで四人グループを作らなきゃいけない時、静かだった私は一人取り残されていた。

そんな時高山くんに助けられたのだ。



「橋本!良かったら俺たちのグループに入らないか?」

「えっ...と」


こんな私に声をかけてくれるなんて思ってもみなかった。

だから嬉しくて、大きく頷きその気持ちを伝えた。


「は、入り...たい」

「もちろん!一緒にやろうぜ」


快く歓迎してくれた。
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