高貴な財閥夫婦の秘密

【休日】

「――――フフ…梨良、どうしたの？
可愛い顔してニコニコしてる！」

「フフ…！
今日は、知くんお仕事お休みでしょ？
ずっと一緒にいれるから、嬉しくって！」

休日。
朝から梨良は、ご機嫌だ。
朝食を食べながら、ニコニコして知嗣を見つめていた。

「そっか(笑)
フフ…休日は、幸せだね！」

「うん！」

「今日は、映画見ようか！
絆カプシリーズの新しいのが配信されてるから！」

「うん！」

朝食後。
一緒に片付けて、ソファに並んで座りぴったりくっついてサブスクの映画を見始める。

「………」
「………」

真剣に観ていると……

〜〜〜♪♪♪

知嗣のスマホの着信音が鳴り響いた。

「………」
(だ、誰……！？)
梨良が、更に知嗣にしがみついた。

知嗣は梨良の頭をポンポンと撫でて、優しく梨良の手を外した。

スマホ画面を見て「那留からみたい」と梨良に言って、電話に出た知嗣。
梨良はその知嗣に、横からしがみついた。

「那留？どうしたの？」

『わりぃ、今そっち忙しい？』

「ううん」

『買いもん明日の予定だったが、今日行けねぇかな？
明日、美奈に急用が出来たんだ』

「そっか。
わかった、準備するよ」

梨良に説明すると「そうゆうことなら！」と頷いた。


「――――知嗣さん、梨良！ごめんね！」
準備して玄関で待っていると、美奈が謝りながら降りてきた。

「ううん！大丈夫だよ！」

「今日私が一人でお買い物行って、明日那留と梨良が買い物行ってもらってもいいかなとか考えたんだけど……
知嗣さんも、少しでも梨良の傍にいたいかなとか、私が一人でお買い物すると、変に勘ぐる人いるかなとか考えちゃって！
自意識過剰なのはわかってるんだけど……」

「そうだね…(笑)」
「大丈夫だよ、美奈。
僕達、四人で買い物行くのは嫌じゃないしね」
申し訳なさそうに言う美奈に、知嗣と梨良は安心させるように微笑んだ。

屋敷を出て、車に乗り込んだ。
いつも那留が運転をし、知嗣が助手席、後部座席に梨良と美奈が乗る。

四人はいつも、デパートの食品売り場で食材などを買うのでデパートに向かった。

駐車場に停めて、車を降りた。

「よし。行くか！」
那留が声をかけ、梨良は那留の隣に寄り添い、美奈も知嗣の隣に寄り添った。

知嗣と那留がそれぞれカートを押し、四人で移動する。
果物や野菜、肉、魚などを入れていく。

会計を終え、ベンチに四人並んで座った。