高貴な財閥夫婦の秘密
知嗣が、梨良と美奈に提案をする。
那留と梨良は言いつけ通り結婚し、知嗣と美奈も結婚して“親友夫婦同士として、シェアする”
屋敷は那留が二世帯住宅を建て、そこでそれぞれ住む。
(もちろん、二世帯住宅だということも内緒)
「“屋敷の中には俺達四人以外、例え身内であっても入れない”
その代わり、屋敷内では俺達はそれぞれカップルでいられる」
「二人にも、辛い思いをさせるかもしれない。
この先、どうなるかは僕や那留にもわからない。
でも、今考えられるのは“この方法しかないと思ってる”
幸い、僕達はずっと誰にも内緒で交際してきた。
だから“親友夫婦同士”って言うのを、誰も疑わない。
もちろん、梨良の父親含めて」
「世の中には、勘ぐる奴がいるからな」
「今の今まで僕達は、世間的には“幼なじみの親友四人”と思われてる。
…………だから…どうか、受け入れてほしい。
僕は、梨良のことを諦められないんだ……!」
「………」
「………」
梨良と美奈が、考え込んでいる。
「……………お屋敷以外は、那留くんと夫婦でいるってことだよね?」
しばらく沈黙が続いて、梨良がポツリと言った。
「あぁ、そうだ。
“あくまでも”俺の妻は、梨良」
「そして美奈は“僕の妻”」
「屋敷の中では、知くんといれるの?」
「「そうだよ」」
「ただ…かなりの覚悟がいる。
絶対“誰にも”バレないようにしないといけないから」
「どこから漏れるかわかんねぇ。
だから一歩でも外に出たら、梨良は俺の妻で、美奈は僕の妻でいないとならない」
「…………わかった。
私の友達に、那留と付き合ってたこと知ってる子が2・3人いる。
彼女達には、上手く話すわ」
黙って聞いていた美奈が、ゆっくり頷いた。
「私も!」
梨良も、大きく頷く。
「それで、梨良に頼みがある」
「ん?」
「親父さんを説得してほしいんだ。
俺達の二世帯住宅を建てるのに、最低一年は必要なんだ。
どんなに裏ルートを使っても、それ以上は無理なんだ。
だから……」
「わかった!
パパに、結婚を先延ばしにしてもらう!」
「頼む!!」
「それくらいなら、任せて!
マリッジブルーってことにする!
“パパと離れるの、寂しい”って!
…………でも…知くん、那留くん、美奈さんも、ごめんなさい。
私のせいで、大切なあなた達に苦しくて辛い思いをさせてる」
「梨良のせいじゃないよ!」
「美奈さん…」
「私はずっと傍で梨良を見てきた。
梨良の立場やプレッシャー……沢山のことを。
きっと私なら、耐えられない……!
私…この街からも、那留からも離れるつもりだったの。
辛いだけだから。
でも、例え外で堂々と出来なくても、那留といれるのならどんなことでも耐えられる!」
「梨良が責任を感じることはないんだよ!」
「俺達、ちゃんとわかってるから!な?」
「みんな、ありがとう……!」
そして一年半後の夏。
四人の住む二世帯住宅が建ち、那留と梨良は入籍と結婚式を挙げた。
(知嗣と美奈は入籍だけで、結婚式はしないということにした)
那留と梨良は言いつけ通り結婚し、知嗣と美奈も結婚して“親友夫婦同士として、シェアする”
屋敷は那留が二世帯住宅を建て、そこでそれぞれ住む。
(もちろん、二世帯住宅だということも内緒)
「“屋敷の中には俺達四人以外、例え身内であっても入れない”
その代わり、屋敷内では俺達はそれぞれカップルでいられる」
「二人にも、辛い思いをさせるかもしれない。
この先、どうなるかは僕や那留にもわからない。
でも、今考えられるのは“この方法しかないと思ってる”
幸い、僕達はずっと誰にも内緒で交際してきた。
だから“親友夫婦同士”って言うのを、誰も疑わない。
もちろん、梨良の父親含めて」
「世の中には、勘ぐる奴がいるからな」
「今の今まで僕達は、世間的には“幼なじみの親友四人”と思われてる。
…………だから…どうか、受け入れてほしい。
僕は、梨良のことを諦められないんだ……!」
「………」
「………」
梨良と美奈が、考え込んでいる。
「……………お屋敷以外は、那留くんと夫婦でいるってことだよね?」
しばらく沈黙が続いて、梨良がポツリと言った。
「あぁ、そうだ。
“あくまでも”俺の妻は、梨良」
「そして美奈は“僕の妻”」
「屋敷の中では、知くんといれるの?」
「「そうだよ」」
「ただ…かなりの覚悟がいる。
絶対“誰にも”バレないようにしないといけないから」
「どこから漏れるかわかんねぇ。
だから一歩でも外に出たら、梨良は俺の妻で、美奈は僕の妻でいないとならない」
「…………わかった。
私の友達に、那留と付き合ってたこと知ってる子が2・3人いる。
彼女達には、上手く話すわ」
黙って聞いていた美奈が、ゆっくり頷いた。
「私も!」
梨良も、大きく頷く。
「それで、梨良に頼みがある」
「ん?」
「親父さんを説得してほしいんだ。
俺達の二世帯住宅を建てるのに、最低一年は必要なんだ。
どんなに裏ルートを使っても、それ以上は無理なんだ。
だから……」
「わかった!
パパに、結婚を先延ばしにしてもらう!」
「頼む!!」
「それくらいなら、任せて!
マリッジブルーってことにする!
“パパと離れるの、寂しい”って!
…………でも…知くん、那留くん、美奈さんも、ごめんなさい。
私のせいで、大切なあなた達に苦しくて辛い思いをさせてる」
「梨良のせいじゃないよ!」
「美奈さん…」
「私はずっと傍で梨良を見てきた。
梨良の立場やプレッシャー……沢山のことを。
きっと私なら、耐えられない……!
私…この街からも、那留からも離れるつもりだったの。
辛いだけだから。
でも、例え外で堂々と出来なくても、那留といれるのならどんなことでも耐えられる!」
「梨良が責任を感じることはないんだよ!」
「俺達、ちゃんとわかってるから!な?」
「みんな、ありがとう……!」
そして一年半後の夏。
四人の住む二世帯住宅が建ち、那留と梨良は入籍と結婚式を挙げた。
(知嗣と美奈は入籍だけで、結婚式はしないということにした)