雨宮さん家の大型犬〜わんこは何時でも愛する人に忠誠を捧げる〜
『何、しーちゃんてば、…そんなとこにずっと居たの…?』
そこに何時も一番に現れるのが、あこちゃん。
心配そうにオレの顔を覗き込んできて、オレが動けないでいるのを知ると、なんにも言わずにオレのことを自分の家まで運んでくれて、こう言ったんだ。
『私がいるから、もう大丈夫だかんね?』
なんて毎日……きゅうっと胸に抱き締められながら眠ってくれたんだ。
だから、そんなあこちゃんのことを…何時の間にか昔よりも好きになっていた。
とは言え。
オレはどちらかと言えば、性格的に犬と人間の合いの子って感じの存在。
人間の容姿を持ってはいるけれど…言動がそれを隠せないみたいになってるから…。
あこちゃんは、こんなオレのこと、怖くないのかな?なんて思うけど…。
それは直接あこちゃんには聞けなかった。
…だって。
「怖い」
なんて言われたら、もう……きっとオレは立ち直れないし。
逆に、物珍しくて興味があったから連れて来たなんて…そんなコトも聞きたくないから。
「しーちゃーん!ご飯出来たよ!食べよー?」
そんなことを考えながらソファーに頭をつけて瞳を閉じていたら。
あこちゃんがわざわざオレの所まで歩いて呼びに来てくれた。
もうそれだけで、オレは凄く幸せな気分になる。
「あこちゃん……」
「んー…?何、しーちゃん?…どうしたの?」
そう言って、オレの目線まで腰を屈めて顔を覗き込んで、少し元気のないオレに気付いたのか、よしよしと頭を撫でてくれる。
「なんか、元気ないねぇ?なんかあったの?」
「んーん。なんでもないよ?ただ…」
「…ただ?」
「ん。ただ、ちょっと淋しくなっちゃっただけ…」
と言うと、くすくす笑って。
「しーちゃんの…ばぁか。…ったく、もう。ほら、こっちおいで?」
しゅんと項垂れて苦笑するオレに、あこちゃんは呆れたように笑いながらそう言って、オレの首輪についた、短い鎖を掴んだ。
それを苦しくない程度の力強さで引っ張られて…グッとあこちゃんの胸に引き寄せられたオレ。
思いがけないあこちゃんの行動に驚いてると、
「今、しーちゃんの飼い主は私だけでしょーが。だから、淋しいとか言わないでよね…?」
ぎゅっと抱き締められて、額にキスを落とされる。
そこからジンと甘い疼きが広がっていって、こんなにもあこちゃんが好きなんだと心が高鳴る。
「過去なんかどうでもいいし、しーちゃんは怖くないよ。だって人間だもの。それなのに、もしも犬とか…それこそ狼だろうが、そんなこと誰かに思われていたとしても、関係ないの!しーちゃんはしーちゃん、でしょ?ね?」
そう言って今度は、奪うようにキスを求められて、オレはその噛み付くような接吻けに身を委ねて、瞳を閉じた。
「だって、本当にしーちゃんはしーちゃんでしょー?絶対に代わりなんかないし。そのまんまのしーちゃんが私は好きだから………だから、しーちゃんも、つまんないコト気にしないの!」
長い長いキスの後、少し息の上がったオレの額にコツンと額を寄せてきて。
あこちゃんは、ふっと瞳を細めてオレに笑い掛けてくれる。
下らない過去に苛まれて、黒く歪むオレの思考。
だけど、それをいとも簡単に打ち砕いてしまうのは、いつだってあこちゃんで。
それを、心底嬉しいと…幸せだと感じてるオレ。
「…ん。ありがと………オレも、あこちゃんが好きだよ?」
「当たり前でしょ?でもね、一つだけ違うよ!私はしーちゃんのこと宇宙一愛してるんだからね!」
戸惑いがちに告げた言葉を聞いたあこちゃんは即座にそう返してきた。
少しだけ横暴に聞こえる台詞なのに、オレは尻尾を振って喜んでしまうんだ。
だって………。
そこに何時も一番に現れるのが、あこちゃん。
心配そうにオレの顔を覗き込んできて、オレが動けないでいるのを知ると、なんにも言わずにオレのことを自分の家まで運んでくれて、こう言ったんだ。
『私がいるから、もう大丈夫だかんね?』
なんて毎日……きゅうっと胸に抱き締められながら眠ってくれたんだ。
だから、そんなあこちゃんのことを…何時の間にか昔よりも好きになっていた。
とは言え。
オレはどちらかと言えば、性格的に犬と人間の合いの子って感じの存在。
人間の容姿を持ってはいるけれど…言動がそれを隠せないみたいになってるから…。
あこちゃんは、こんなオレのこと、怖くないのかな?なんて思うけど…。
それは直接あこちゃんには聞けなかった。
…だって。
「怖い」
なんて言われたら、もう……きっとオレは立ち直れないし。
逆に、物珍しくて興味があったから連れて来たなんて…そんなコトも聞きたくないから。
「しーちゃーん!ご飯出来たよ!食べよー?」
そんなことを考えながらソファーに頭をつけて瞳を閉じていたら。
あこちゃんがわざわざオレの所まで歩いて呼びに来てくれた。
もうそれだけで、オレは凄く幸せな気分になる。
「あこちゃん……」
「んー…?何、しーちゃん?…どうしたの?」
そう言って、オレの目線まで腰を屈めて顔を覗き込んで、少し元気のないオレに気付いたのか、よしよしと頭を撫でてくれる。
「なんか、元気ないねぇ?なんかあったの?」
「んーん。なんでもないよ?ただ…」
「…ただ?」
「ん。ただ、ちょっと淋しくなっちゃっただけ…」
と言うと、くすくす笑って。
「しーちゃんの…ばぁか。…ったく、もう。ほら、こっちおいで?」
しゅんと項垂れて苦笑するオレに、あこちゃんは呆れたように笑いながらそう言って、オレの首輪についた、短い鎖を掴んだ。
それを苦しくない程度の力強さで引っ張られて…グッとあこちゃんの胸に引き寄せられたオレ。
思いがけないあこちゃんの行動に驚いてると、
「今、しーちゃんの飼い主は私だけでしょーが。だから、淋しいとか言わないでよね…?」
ぎゅっと抱き締められて、額にキスを落とされる。
そこからジンと甘い疼きが広がっていって、こんなにもあこちゃんが好きなんだと心が高鳴る。
「過去なんかどうでもいいし、しーちゃんは怖くないよ。だって人間だもの。それなのに、もしも犬とか…それこそ狼だろうが、そんなこと誰かに思われていたとしても、関係ないの!しーちゃんはしーちゃん、でしょ?ね?」
そう言って今度は、奪うようにキスを求められて、オレはその噛み付くような接吻けに身を委ねて、瞳を閉じた。
「だって、本当にしーちゃんはしーちゃんでしょー?絶対に代わりなんかないし。そのまんまのしーちゃんが私は好きだから………だから、しーちゃんも、つまんないコト気にしないの!」
長い長いキスの後、少し息の上がったオレの額にコツンと額を寄せてきて。
あこちゃんは、ふっと瞳を細めてオレに笑い掛けてくれる。
下らない過去に苛まれて、黒く歪むオレの思考。
だけど、それをいとも簡単に打ち砕いてしまうのは、いつだってあこちゃんで。
それを、心底嬉しいと…幸せだと感じてるオレ。
「…ん。ありがと………オレも、あこちゃんが好きだよ?」
「当たり前でしょ?でもね、一つだけ違うよ!私はしーちゃんのこと宇宙一愛してるんだからね!」
戸惑いがちに告げた言葉を聞いたあこちゃんは即座にそう返してきた。
少しだけ横暴に聞こえる台詞なのに、オレは尻尾を振って喜んでしまうんだ。
だって………。