Side Story 〜葉月まい 番外編集〜
「美桜先輩、お帰りなさーい!」

次の日。
職場のテーマパークに着いてオフィスに顔を出すと、大勢のメンバーがクラッカーを鳴らして笑顔で出迎えてくれた。

「わっ!びっくりしたー。ありがとう、あやちゃん。由香先輩、みどり先輩、それからみんなも」

オンラインで画面越しには会っていても、やはり実際にこうして顔を見ると感慨もひとしおだ。

「あー、みんなに会えて嬉しい!たくさんおしゃべりしようね、あやちゃん」
「はい!もう私、美桜先輩に聞きたいことがてんこ盛りなんです。旦那様との新婚生活のこととー、イギリスでのこととー」

すると、はいはい、と由香が手を伸ばして遮る。

「まずは仕事ね。ほら、みんな準備して。美桜は、先に今回の滞在中のスケジュールを確認してくれる?企画ミーティングとクリスマスショーの出演。あとは、出来たらフラッグショーも出て欲しいんだけど、どうかな?」
「大丈夫です。フラッグショー、イギリスでも護衛隊のみんなと毎日練習してたので。何番ポジションでもいけますよ」
「おおー、頼もしい!じゃあついでにハピラキショーにも出てもらおっかなー?あと、オフィスでシフト組むのも頼める?」
「はい!何でも来いです」

やったー!助かる、と由香は美桜にガバッと抱きついた。

「美桜、無理しないでね」

みどりが気遣うように声をかけるが、美桜は笑顔で頷く。

「はい、無理はしません。私がやりたいので、やらせてください。あ、そうだ!由香先輩、みどり先輩。これイギリスのお土産です。いつもの紅茶と……」

ショートブレッド!と三人で声を揃えてから、あはは!と笑い合った。
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