Side Story 〜葉月まい 番外編集〜
「美桜、お疲れ様。どうだった?久しぶりの仕事は」
家に着くと、アレンから電話がかかってきた。
「うん、楽しかったよ。身体がなまってないかドキドキしたけど、大丈夫だった。感覚も取り戻せたし、何よりみんなと会えたのが嬉しくて」
「そう、良かった。今日は疲れてると思うから、ゆっくり休んでね」
「ありがとう。あ、そうだ。絵梨ちゃんと仁くんに連絡取れたよ。二人とも三十日の夜なら都合がつくから、また四人で食事しようって」
「そうか!分かった。俺も楽しみにしてる」
「私も楽しみ!まずは明日からのクリスマスショー、がんばらないとな」
「そうだね。イギリスからエールを送るよ」
「ありがとう!あと五日でアレンに会えるしね。それを励みにがんばるね」
「俺も、美桜に会えるのを楽しみにしてる」
じゃあね、と電話を切ると、念入りにストレッチをしてから、明日に備えて早めにベッドに入った。
翌朝は五時に起きて朝食を食べてから家を出る。
「うわ、寒いし暗い!」
イギリスでは、パレスの中は常に温かく、外出する時も馬車か車で送ってもらえる為、外を歩くことがほとんどない。
「あー、いかんなー。贅沢に慣れちゃってるよ、私」
ぶつぶつ言いながら駅までの道のりを歩く。
だが職場に着いて皆の顔を見れば、一気に気分は明るくなった。
「おはようございます」
「あ、美桜先輩!おはようございます。ね、ヘアメイクお揃いにしたいので、私にやらせてください」
「わあ、私、苦手だから助かる!ありがとう、あやちゃん」
ドレッサーの前に座ると、綾乃はすぐさま美桜のメイクを整え、髪型も綺麗にまとめる。
「んーと、髪飾りはどれにしようかな」
口元に人差し指をやって考え込むと、綾乃は「決めた!」と、小ぶりのティアラをメイクボックスから取り出した。
「数も六人分あるし、みんなこれにしましょ!」
前髪も全部上げて、クラシカルな雰囲気で統一する。
「出来た!我らがフェアリー六人組。いざ、出陣ー!」
「あはは!あやちゃん、その掛け声も変だよ」
ステッキを手に、ストラップシューズに履き替えてからステージに移動した。
ようやく外は明るくなってきたが、風は冷たく、薄い衣装を着ているだけでは身体が冷える。
念入りに準備運動をしてから、音響や照明スタッフも加わり、曲をかけて通してみる。
細かい点の微調整をして、リハーサルは無事に終了した。
その日に始まったクリスマスショーは、午前の部、夜の部共に大盛況。
特に夜はステッキがキラキラと輝き、美桜は踊りながらうっとりと見とれた。
バックヤードに引き揚げると、レッスンルームでクールダウンしながら、皆でみどりが撮影した動画を観る。
「このポーズの時、もう少しステッキがよく見えるようにしよう。身体の向きを観客側に向けて」
「そうですね。特に夜はせっかくキラキラしてますし」
このショーをやるのはあと五日だけ。
それでも少しだけでもブラッシュアップして、より良いものにしていきたい。
メンバーはその後も真剣に意見を出し合っていた。
家に着くと、アレンから電話がかかってきた。
「うん、楽しかったよ。身体がなまってないかドキドキしたけど、大丈夫だった。感覚も取り戻せたし、何よりみんなと会えたのが嬉しくて」
「そう、良かった。今日は疲れてると思うから、ゆっくり休んでね」
「ありがとう。あ、そうだ。絵梨ちゃんと仁くんに連絡取れたよ。二人とも三十日の夜なら都合がつくから、また四人で食事しようって」
「そうか!分かった。俺も楽しみにしてる」
「私も楽しみ!まずは明日からのクリスマスショー、がんばらないとな」
「そうだね。イギリスからエールを送るよ」
「ありがとう!あと五日でアレンに会えるしね。それを励みにがんばるね」
「俺も、美桜に会えるのを楽しみにしてる」
じゃあね、と電話を切ると、念入りにストレッチをしてから、明日に備えて早めにベッドに入った。
翌朝は五時に起きて朝食を食べてから家を出る。
「うわ、寒いし暗い!」
イギリスでは、パレスの中は常に温かく、外出する時も馬車か車で送ってもらえる為、外を歩くことがほとんどない。
「あー、いかんなー。贅沢に慣れちゃってるよ、私」
ぶつぶつ言いながら駅までの道のりを歩く。
だが職場に着いて皆の顔を見れば、一気に気分は明るくなった。
「おはようございます」
「あ、美桜先輩!おはようございます。ね、ヘアメイクお揃いにしたいので、私にやらせてください」
「わあ、私、苦手だから助かる!ありがとう、あやちゃん」
ドレッサーの前に座ると、綾乃はすぐさま美桜のメイクを整え、髪型も綺麗にまとめる。
「んーと、髪飾りはどれにしようかな」
口元に人差し指をやって考え込むと、綾乃は「決めた!」と、小ぶりのティアラをメイクボックスから取り出した。
「数も六人分あるし、みんなこれにしましょ!」
前髪も全部上げて、クラシカルな雰囲気で統一する。
「出来た!我らがフェアリー六人組。いざ、出陣ー!」
「あはは!あやちゃん、その掛け声も変だよ」
ステッキを手に、ストラップシューズに履き替えてからステージに移動した。
ようやく外は明るくなってきたが、風は冷たく、薄い衣装を着ているだけでは身体が冷える。
念入りに準備運動をしてから、音響や照明スタッフも加わり、曲をかけて通してみる。
細かい点の微調整をして、リハーサルは無事に終了した。
その日に始まったクリスマスショーは、午前の部、夜の部共に大盛況。
特に夜はステッキがキラキラと輝き、美桜は踊りながらうっとりと見とれた。
バックヤードに引き揚げると、レッスンルームでクールダウンしながら、皆でみどりが撮影した動画を観る。
「このポーズの時、もう少しステッキがよく見えるようにしよう。身体の向きを観客側に向けて」
「そうですね。特に夜はせっかくキラキラしてますし」
このショーをやるのはあと五日だけ。
それでも少しだけでもブラッシュアップして、より良いものにしていきたい。
メンバーはその後も真剣に意見を出し合っていた。