Side Story 〜葉月まい 番外編集〜
初めてのクリスマス
「メリークリスマース!いよいよ千秋楽ですね、美桜先輩」
翌日のクリスマス。
ドレッシングルームに入ってくるなり、綾乃はテンション高く声をかけてきた。
「うん、いよいよだね。最後までよろしくね、あやちゃん」
「こちらこそ。今日が終われば三連休!弾けちゃいますよー」
「あはは!そうだね。明日からはゆっくりデート楽しんでね」
「美桜先輩もですよ。旦那様は?無事に会えましたか?」
「あ、うん。今日のショーも観に来るって」
ひゃー!と綾乃は両手で頬を挟んで目を輝かせる。
「楽しみ!最前列にいますか?」
「いやいや、それはないよ。遠くからこっそり観るんじゃないかな?」
「えー!私、踊りながら探しちゃいそう。ものすごいイケメンの外国人ですよね?目立っちゃってますよ、きっと」
「あやちゃん、踊りながらキョロキョロはしないでよ?」
「しちゃいそう!楽しみー」
ルンルンとご機嫌で綾乃はヘアメイクを始めた。
「あ、美桜先輩も今日は特別可愛くメイクしちゃいますよ。ほら、座って」
美桜はされるがままに大人しくドレッサーの前に座り、なにやらいつもより念入りにメイクされていた。
レッスンルームでウォーミングアップを済ませると、メンバー全員でステージ裏に移動して円陣を組む。
「千秋楽、最後までやり抜くぞ!」
「おおー!」
巧の掛け声に答えると、皆でハイタッチしてからパートナーと手を繋いでスタンバイする。
(アレン、どこで観てるのかな?)
そう考えた途端、美桜はドキドキし始めた。
「ん?美桜、珍しく緊張してんの?」
巧に言われて美桜は顔を上げる。
「うん、そうかも。こんな気持ちは初めて」
「どんな気持ち?」
「好きな人に見守られて踊るんだって思ったら、なんかちょっと……、ドキドキしちゃって」
「へえー!そりゃ珍しい。ご主人ー!若奥様が照れちゃってますよー」
ステージ裏から大きな声で観客に呼びかける巧に、美桜は慌てて腕を引っ張った。
「ちょっと、やめてよ巧くん!ほら、本番始まるよ。ちゃんと切り替えて」
「俺はいつでも仕事モードですけどね?奥様はダーリンに会いたくてほっぺが真っ赤ですよ?」
「巧くん!」
ジロリと咎めていると、本番五秒前!とみどりの声がした。
「よし、じゃあ行きますか。奥様をサポートして、キラキラに輝かせてみせますよ」
流れ始めた音楽に合わせて、巧は美桜の手を取ってステージに歩み出た。
翌日のクリスマス。
ドレッシングルームに入ってくるなり、綾乃はテンション高く声をかけてきた。
「うん、いよいよだね。最後までよろしくね、あやちゃん」
「こちらこそ。今日が終われば三連休!弾けちゃいますよー」
「あはは!そうだね。明日からはゆっくりデート楽しんでね」
「美桜先輩もですよ。旦那様は?無事に会えましたか?」
「あ、うん。今日のショーも観に来るって」
ひゃー!と綾乃は両手で頬を挟んで目を輝かせる。
「楽しみ!最前列にいますか?」
「いやいや、それはないよ。遠くからこっそり観るんじゃないかな?」
「えー!私、踊りながら探しちゃいそう。ものすごいイケメンの外国人ですよね?目立っちゃってますよ、きっと」
「あやちゃん、踊りながらキョロキョロはしないでよ?」
「しちゃいそう!楽しみー」
ルンルンとご機嫌で綾乃はヘアメイクを始めた。
「あ、美桜先輩も今日は特別可愛くメイクしちゃいますよ。ほら、座って」
美桜はされるがままに大人しくドレッサーの前に座り、なにやらいつもより念入りにメイクされていた。
レッスンルームでウォーミングアップを済ませると、メンバー全員でステージ裏に移動して円陣を組む。
「千秋楽、最後までやり抜くぞ!」
「おおー!」
巧の掛け声に答えると、皆でハイタッチしてからパートナーと手を繋いでスタンバイする。
(アレン、どこで観てるのかな?)
そう考えた途端、美桜はドキドキし始めた。
「ん?美桜、珍しく緊張してんの?」
巧に言われて美桜は顔を上げる。
「うん、そうかも。こんな気持ちは初めて」
「どんな気持ち?」
「好きな人に見守られて踊るんだって思ったら、なんかちょっと……、ドキドキしちゃって」
「へえー!そりゃ珍しい。ご主人ー!若奥様が照れちゃってますよー」
ステージ裏から大きな声で観客に呼びかける巧に、美桜は慌てて腕を引っ張った。
「ちょっと、やめてよ巧くん!ほら、本番始まるよ。ちゃんと切り替えて」
「俺はいつでも仕事モードですけどね?奥様はダーリンに会いたくてほっぺが真っ赤ですよ?」
「巧くん!」
ジロリと咎めていると、本番五秒前!とみどりの声がした。
「よし、じゃあ行きますか。奥様をサポートして、キラキラに輝かせてみせますよ」
流れ始めた音楽に合わせて、巧は美桜の手を取ってステージに歩み出た。