Side Story 〜葉月まい 番外編集〜
「改めて、美桜。ショーお疲れ様でした。メリークリスマス」
「ありがとう、アレン。メリークリスマス」
ホテルの最上階にあるフレンチレストランで、美桜とアレンはワインで乾杯する。
「美桜、今夜はすごく綺麗だね」
「そうかな?あ、ショーのメイクのままだしね。髪は下ろしただけなんだけど、なんかいい感じにふんわりウエーブになってるかも。ふふっ、全部後輩のあやちゃんのおかげなんだ」
「それだけじゃないよ。美桜の内面から美しさが溢れてる。俺、ショーを観てる間、美桜が手の届かない存在になったみたいで寂しくなったんだ。だけど今は、俺と一緒にいてくれる。もう、今すぐ抱きしめて離したくないくらいに嬉しいよ」
「そ、そう。アレンはなんだか、よくしゃべるようになったね」
「うん。美桜を口説き落としたくて必死なんだ」
「いやいや。そんなことしなくても、私は既にあなたの妻ですけど?」
するとアレンは目を見開いて固まった。
「あれ?どうしたの、アレン」
「なんか、ちょっと、いや、だいぶ、……やられた」
「はいー?ねえ、アレン。ホントにどうしちゃったの?私と結婚してること、忘れてたの?」
「うん、そうかも」
今度は美桜が、ガーン!とショックを受ける。
「う、うそでしょ?私、アレンに忘れられてたの?」
「違うよ!美桜が余りにも魅力的で、遠くに行ってしまった気がしてたんだ。誰かに言い寄られたり、奪い去られたらどうしようって」
「そんなわけないでしょ?私、もうアレンと結婚してるんだから」
「いや、そんなわけあるよ。だって既婚者でも関係ないってくらい、美桜から目が離せなくなる。だからさ、俺、考えを改めなきゃ。たとえ結婚していても、変わらずに美桜を口説き続けるよ。ずっと俺に振り向いてくれるように。繋いだ手を振りほどかれないように。いつまでも美桜を愛し続けるよ」
アレン……と、美桜は目を潤ませた。
「私も、いつもアレンの優しさに感謝を忘れないでいるね。アレンが私のやりたいことをサポートしてくれて、私のことを理解してくれて、私を信じてくれていること。たくさんの愛情で包み込んでくれていること。当たり前だと思わないで、ちゃんと言葉にして伝えるね。アレン、いつもありがとう。私、アレンと結婚出来て本当に良かった。心からアレンのことが大好きよ。これからも、ずっと」
美桜、とアレンも言葉を詰まらせる。
「俺の方こそ、イギリスに来てくれてありがとう。美桜には一生感謝してもしきれない。ずっと守っていくからね」
「うん。ありがとう、アレン」
微笑み合うと、アレンはポケットから小さな箱を取り出した。
「美桜、受け取って。美桜に贈る初めてのクリスマスプレゼント」
「え、ありがとう!開けてもいい?」
「どうぞ」
そっとリボンをほどいて箱を開ける美桜を、アレンは優しい眼差しで見守る。
「わあ、綺麗!」
キラキラと眩く輝くダイヤモンドのネックレスに、美桜は驚いたように目を見開き、うっとりと美しい笑みを浮かべた。
その笑顔を見られただけで贈った甲斐がある、とアレンも嬉しくなる。
「美桜、着けてみて」
そう言ってアレンはネックレスを手に取り、髪を束ねて後ろを向いた美桜の首にそっと着けた。
「うん、よく似合ってる」
「ありがとう!とっても素敵。私、ずっと着けてるね」
美桜は嬉しそうに手でダイヤモンドに触れてから、今度はアレンにプレゼントを差し出した。
「私からも、アレンに贈る初めてのクリスマスプレゼント。開けてみて」
「ありがとう。何だろう、わくわくする。あ、財布?」
「ふふ、そうなの。日本に来てる間、アレン、お金がごちゃ混ぜになってるでしょ?だからこれは、日本円専用の財布にしたらどうかなって」
「いいね!早速そうするよ。ありがとう、美桜」
「どういたしまして。喜んでもらえて、私も嬉しい」
「うん、俺も。だけど一番のプレゼントは、美桜とこうしてクリスマスを一緒に過ごせることだよ」
しみじみと言うアレンに、美桜も頷いた。
「そうだね。アレンと一緒にいる時間が、何よりかけがえのないものだもんね。幸せだな、私」
「俺もだよ。美桜、早く部屋に戻ろう。ほら、デザート食べちゃって」
「ええー?そんなに急かさないでよ」
「いいから早く!でないとここで食べちゃうよ」
「あ、半分食べたい?いいよ、はいどうぞ」
「違う!デザートじゃなくて美桜のこと」
は!?と美桜は目を丸くする。
「食べちゃうよって……、ええ!?何言ってんの、アレン」
「いい?ここで食べても」
「だめに決まってるでしょ!」
美桜は慌ててデザートを食べ始めた。
「ありがとう、アレン。メリークリスマス」
ホテルの最上階にあるフレンチレストランで、美桜とアレンはワインで乾杯する。
「美桜、今夜はすごく綺麗だね」
「そうかな?あ、ショーのメイクのままだしね。髪は下ろしただけなんだけど、なんかいい感じにふんわりウエーブになってるかも。ふふっ、全部後輩のあやちゃんのおかげなんだ」
「それだけじゃないよ。美桜の内面から美しさが溢れてる。俺、ショーを観てる間、美桜が手の届かない存在になったみたいで寂しくなったんだ。だけど今は、俺と一緒にいてくれる。もう、今すぐ抱きしめて離したくないくらいに嬉しいよ」
「そ、そう。アレンはなんだか、よくしゃべるようになったね」
「うん。美桜を口説き落としたくて必死なんだ」
「いやいや。そんなことしなくても、私は既にあなたの妻ですけど?」
するとアレンは目を見開いて固まった。
「あれ?どうしたの、アレン」
「なんか、ちょっと、いや、だいぶ、……やられた」
「はいー?ねえ、アレン。ホントにどうしちゃったの?私と結婚してること、忘れてたの?」
「うん、そうかも」
今度は美桜が、ガーン!とショックを受ける。
「う、うそでしょ?私、アレンに忘れられてたの?」
「違うよ!美桜が余りにも魅力的で、遠くに行ってしまった気がしてたんだ。誰かに言い寄られたり、奪い去られたらどうしようって」
「そんなわけないでしょ?私、もうアレンと結婚してるんだから」
「いや、そんなわけあるよ。だって既婚者でも関係ないってくらい、美桜から目が離せなくなる。だからさ、俺、考えを改めなきゃ。たとえ結婚していても、変わらずに美桜を口説き続けるよ。ずっと俺に振り向いてくれるように。繋いだ手を振りほどかれないように。いつまでも美桜を愛し続けるよ」
アレン……と、美桜は目を潤ませた。
「私も、いつもアレンの優しさに感謝を忘れないでいるね。アレンが私のやりたいことをサポートしてくれて、私のことを理解してくれて、私を信じてくれていること。たくさんの愛情で包み込んでくれていること。当たり前だと思わないで、ちゃんと言葉にして伝えるね。アレン、いつもありがとう。私、アレンと結婚出来て本当に良かった。心からアレンのことが大好きよ。これからも、ずっと」
美桜、とアレンも言葉を詰まらせる。
「俺の方こそ、イギリスに来てくれてありがとう。美桜には一生感謝してもしきれない。ずっと守っていくからね」
「うん。ありがとう、アレン」
微笑み合うと、アレンはポケットから小さな箱を取り出した。
「美桜、受け取って。美桜に贈る初めてのクリスマスプレゼント」
「え、ありがとう!開けてもいい?」
「どうぞ」
そっとリボンをほどいて箱を開ける美桜を、アレンは優しい眼差しで見守る。
「わあ、綺麗!」
キラキラと眩く輝くダイヤモンドのネックレスに、美桜は驚いたように目を見開き、うっとりと美しい笑みを浮かべた。
その笑顔を見られただけで贈った甲斐がある、とアレンも嬉しくなる。
「美桜、着けてみて」
そう言ってアレンはネックレスを手に取り、髪を束ねて後ろを向いた美桜の首にそっと着けた。
「うん、よく似合ってる」
「ありがとう!とっても素敵。私、ずっと着けてるね」
美桜は嬉しそうに手でダイヤモンドに触れてから、今度はアレンにプレゼントを差し出した。
「私からも、アレンに贈る初めてのクリスマスプレゼント。開けてみて」
「ありがとう。何だろう、わくわくする。あ、財布?」
「ふふ、そうなの。日本に来てる間、アレン、お金がごちゃ混ぜになってるでしょ?だからこれは、日本円専用の財布にしたらどうかなって」
「いいね!早速そうするよ。ありがとう、美桜」
「どういたしまして。喜んでもらえて、私も嬉しい」
「うん、俺も。だけど一番のプレゼントは、美桜とこうしてクリスマスを一緒に過ごせることだよ」
しみじみと言うアレンに、美桜も頷いた。
「そうだね。アレンと一緒にいる時間が、何よりかけがえのないものだもんね。幸せだな、私」
「俺もだよ。美桜、早く部屋に戻ろう。ほら、デザート食べちゃって」
「ええー?そんなに急かさないでよ」
「いいから早く!でないとここで食べちゃうよ」
「あ、半分食べたい?いいよ、はいどうぞ」
「違う!デザートじゃなくて美桜のこと」
は!?と美桜は目を丸くする。
「食べちゃうよって……、ええ!?何言ってんの、アレン」
「いい?ここで食べても」
「だめに決まってるでしょ!」
美桜は慌ててデザートを食べ始めた。