Side Story 〜葉月まい 番外編集〜
「あら!美桜様、どちらにいらしたんですか?」
急いで廊下の角を曲がったあと、慌ててドレスの裾を整え、しれっとしながら歩いているとクレアが正面からやって来た。
「ん?ちょっとお散歩してただけよ」
「美桜様、口元に何やらついてますが?」
えっ!?と美桜は慌てて指先で唇を拭う。
するとクレアがニヤリと笑った。
「やっぱり、厨房にいらしたんですね?」
「あー!クレアったら、カマかけたわね?」
「あら、カマをかけるとは?そんな日本語知りませんわ」
「ウソでしょー?絶対分かってる」
「そんなことより、早く広間にいらしてください。もうすぐ旦那様もアレン様もおいでですわ」
「大変!急がなきゃ」
美桜はクレアと二人で広間へと向かう。
結婚後、クレアとグレッグはアレンのことを「坊ちゃま」とは呼ばなくなっていた。
今までどんなに言われてもやめなかったのが、アレンが「いつまでも子ども扱いされると、俺は父親にはなれないな」と言った途端、二人はピタリと「坊ちゃま」呼びをやめた。
「そうですわね。新たな坊ちゃまが誕生されるまで、とっておきますわ。あー、早くお会いしたいですわ。お二人の坊ちゃまに」
クレアの言葉に、それはそれでまた苦笑いを浮かべるアレンだったが……。
急いで廊下の角を曲がったあと、慌ててドレスの裾を整え、しれっとしながら歩いているとクレアが正面からやって来た。
「ん?ちょっとお散歩してただけよ」
「美桜様、口元に何やらついてますが?」
えっ!?と美桜は慌てて指先で唇を拭う。
するとクレアがニヤリと笑った。
「やっぱり、厨房にいらしたんですね?」
「あー!クレアったら、カマかけたわね?」
「あら、カマをかけるとは?そんな日本語知りませんわ」
「ウソでしょー?絶対分かってる」
「そんなことより、早く広間にいらしてください。もうすぐ旦那様もアレン様もおいでですわ」
「大変!急がなきゃ」
美桜はクレアと二人で広間へと向かう。
結婚後、クレアとグレッグはアレンのことを「坊ちゃま」とは呼ばなくなっていた。
今までどんなに言われてもやめなかったのが、アレンが「いつまでも子ども扱いされると、俺は父親にはなれないな」と言った途端、二人はピタリと「坊ちゃま」呼びをやめた。
「そうですわね。新たな坊ちゃまが誕生されるまで、とっておきますわ。あー、早くお会いしたいですわ。お二人の坊ちゃまに」
クレアの言葉に、それはそれでまた苦笑いを浮かべるアレンだったが……。