Side Story 〜葉月まい 番外編集〜
トップアイドルの恋 『二人で過ごす毎日』
週1キス
『トップアイドルの恋』シリーズ
━━ʚ♡ɞ━━ʚ♡ɞ━━ʚ♡ɞ━━
10年の想いを実らせ、結婚した明日香と瞬。
穏やかで幸せな日々の中、
ほんの少しだけ揺れる明日香の気持ち。
その時、瞬は?
━━ʚ♡ɞ━━ʚ♡ɞ━━ʚ♡ɞ━━
「小池チーフ!ちょっといい?」
「はい、すぐ行きます!」
今夜行われる生放送の歌番組。
スタジオでコットンキャンディのカメラリハーサルに立ち会っていた明日香は、ADの男性に呼ばれてモニターの前に駆け寄った。
「何かありましたか?」
「あみちゃんの衣装の赤色のリボンなんだけどね。照明さんが、今夜は背景を緑ベースで撮りたいって。それだとこの赤色がハレーション起こしちゃって……」
「なるほど。でしたらあみちゃんのリボンを、別の色に付け替えますね」
「ごめんね。時間ないけど、大丈夫?」
「お任せください。ランスルーには間に合わせますね」
「さすがはチーフ!助かるよ」
その時「おはようございまーす。よろしくお願いしまーす」という直哉の声が聞こえてきて、明日香は振り返る。
衣装に身を包んだサザンクロスの4人が、挨拶しながらスタジオに入って来た。
「あ、明日香ちゃーん、おっはよー!」
立ち止まって大きく手を振ってくる直哉に苦笑いしながら手を振り返していると、後ろにいた瞬がグッと直哉の背中を押した。
「ほら、さっさと行くぞ」
「なんだよー、瞬。ちょっとぐらい、いいじゃねえかよー」
「よくない。早く歩け」
「ちぇっ、器の小せえ男だな」
「なんだと!?」
ほら二人とも!と、 充希が直哉と瞬の肩を抱く。
「時間押してんだぞ?さっさとスタンバイしろ。って、あれ?優斗はどこ行った?」
キョロキョロする充希に、明日香はそっと指を指す。
その先には、あみと楽しそうに話している優斗の姿があった。
「あいつめー、堂々といちゃつきやがって。おい、優斗!」
ツカツカと歩み寄り、優斗の腕を引くと、充希は直哉も追い立ててステージに上がる。
「やーれやれ。充希も大変ね」
いつの間にか明日香のすぐそばに来ていた陽子が、腕を組んでため息をついた。
「陽子さん!お疲れ様です。サザンの現場、ヘルプは大丈夫ですか?私、これからあみちゃんのリボンを付け替えなくちゃいけなくて」
「あら、大変ね。こっちは大丈夫よ。旦那の顔見たくなったら、来てくれてもいいけど」
「いえいえ、結構です。ではまたあとで」
これ以上からかわれては困ると、明日香はそそくさとその場を離れた。
最後にそっと瞬を振り返る。
(かっこいいなあ。朝起きた時は、まだボーッとしてて寝癖もついてたけど、今は完全にスイッチオンだね。でも、うちでオフになってる時の瞬くんも、無防備でキュンキュンしちゃうんだよなー)
思わず頬に手を当てて悶絶していると、陽子がニヤニヤとこちらを振り返っているのに気づいた。
明日香は慌てて真顔に戻ると、澄ました笑顔を陽子に向けてから控え室に急いだ。
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10年の想いを実らせ、結婚した明日香と瞬。
穏やかで幸せな日々の中、
ほんの少しだけ揺れる明日香の気持ち。
その時、瞬は?
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「小池チーフ!ちょっといい?」
「はい、すぐ行きます!」
今夜行われる生放送の歌番組。
スタジオでコットンキャンディのカメラリハーサルに立ち会っていた明日香は、ADの男性に呼ばれてモニターの前に駆け寄った。
「何かありましたか?」
「あみちゃんの衣装の赤色のリボンなんだけどね。照明さんが、今夜は背景を緑ベースで撮りたいって。それだとこの赤色がハレーション起こしちゃって……」
「なるほど。でしたらあみちゃんのリボンを、別の色に付け替えますね」
「ごめんね。時間ないけど、大丈夫?」
「お任せください。ランスルーには間に合わせますね」
「さすがはチーフ!助かるよ」
その時「おはようございまーす。よろしくお願いしまーす」という直哉の声が聞こえてきて、明日香は振り返る。
衣装に身を包んだサザンクロスの4人が、挨拶しながらスタジオに入って来た。
「あ、明日香ちゃーん、おっはよー!」
立ち止まって大きく手を振ってくる直哉に苦笑いしながら手を振り返していると、後ろにいた瞬がグッと直哉の背中を押した。
「ほら、さっさと行くぞ」
「なんだよー、瞬。ちょっとぐらい、いいじゃねえかよー」
「よくない。早く歩け」
「ちぇっ、器の小せえ男だな」
「なんだと!?」
ほら二人とも!と、 充希が直哉と瞬の肩を抱く。
「時間押してんだぞ?さっさとスタンバイしろ。って、あれ?優斗はどこ行った?」
キョロキョロする充希に、明日香はそっと指を指す。
その先には、あみと楽しそうに話している優斗の姿があった。
「あいつめー、堂々といちゃつきやがって。おい、優斗!」
ツカツカと歩み寄り、優斗の腕を引くと、充希は直哉も追い立ててステージに上がる。
「やーれやれ。充希も大変ね」
いつの間にか明日香のすぐそばに来ていた陽子が、腕を組んでため息をついた。
「陽子さん!お疲れ様です。サザンの現場、ヘルプは大丈夫ですか?私、これからあみちゃんのリボンを付け替えなくちゃいけなくて」
「あら、大変ね。こっちは大丈夫よ。旦那の顔見たくなったら、来てくれてもいいけど」
「いえいえ、結構です。ではまたあとで」
これ以上からかわれては困ると、明日香はそそくさとその場を離れた。
最後にそっと瞬を振り返る。
(かっこいいなあ。朝起きた時は、まだボーッとしてて寝癖もついてたけど、今は完全にスイッチオンだね。でも、うちでオフになってる時の瞬くんも、無防備でキュンキュンしちゃうんだよなー)
思わず頬に手を当てて悶絶していると、陽子がニヤニヤとこちらを振り返っているのに気づいた。
明日香は慌てて真顔に戻ると、澄ました笑顔を陽子に向けてから控え室に急いだ。