Side Story 〜葉月まい 番外編集〜
「湯煎する時は、大きめのボールを使った方がいいよ。チョコレートを混ぜる時は、優しくゆっくりな」
「うん」
瞬がチョコレートを買って戻ってくると、明日香は瞬に教わりながら作り直す。
「生クリームは、弱火で少し温めるだけにして。もうそれくらいで大丈夫。そしたらチョコレートと混ぜて、あとは?ラム酒だっけ?」
「うん。ラム酒はダークチョコに混ぜて、こっちのホワイトチョコはオレンジリキュールを入れるの」
「へえ、美味そう!」
冷蔵庫に入れ、固まるのを待つ間に使ったボールや鍋を洗う。
「明日香、ほっぺにチョコついてるぞ」
「え、どこ?」
「ここ」
そう言って瞬は、明日香の左頬にチュッとキスをした。
「ん、あまっ」
ぺろっと自分の唇を舐めて呟く瞬に、明日香は顔を真っ赤にして仰け反る。
「しゅ、瞬くん。あの、何を……」
「ん?火曜日だから、キスしても問題ないよな?」
「そ、それは、その……」
「心配するなって。あとでもっとちゃんとしたキスしてやるからさ」
「でも、もうすぐ日付けが変わって水曜日になるよ?」
えっ!?と今度は瞬が仰け反って驚く。
「そんなにシビアなのか?0時ちょうどで締め切り?なんだよそれ、シンデレラかよ!」
「そんなに怒らなくても……」
「せめて寝るまでにしろ!」
「う、うん。分かった」
「よし」
そうこうしているうちにちょうど頃合いになり、冷蔵庫から取り出したチョコトリュフを丸めていく。
最後の仕上げにココアパウダーと粉砂糖をまぶした。
「出来た、完成!やったー!」
明日香は満面の笑みで瞬に抱きつく。
「ありがとう!瞬くん。おかげで無事に作れたよ」
「良かったな。早速食べてもいい?」
「うん!美味しいかな?どうかな?」
ドキドキしながら見つめていると、瞬はパクっとひと口で頬張り、明日香に笑顔で頷いた。
「うん、美味い!」
「ほんと?良かったー!」
「なんかさ、こんなに嬉しいもんなんだな、手作りチョコって」
視線を落として瞬はしみじみと呟く。
「え、そう?買ってきた高級チョコの方が美味しいでしょ?」
「んー、そういうのとは全く別次元。俺の為に一生懸命作ってくれた明日香の気持ちが嬉しい。しかもこんなに大変な思いまでして」
「それは私が下手だからだよ。普通ならもっと簡単に作れるはずなのに」
「けどさ、余計に明日香が愛おしくなった。それに二人で作る時間が楽しかったし。また来年も一緒に作ろうか」
「本当に?いいの?」
「ああ、もちろん」
明日香はパッと顔を明るくする。
「じゃあね、来年はハートのチョコクッキーを作りたいの!真ん中にイチゴジャムを詰めてね。あみちゃんから教えてもらったんだけど……」
興奮気味にしゃべり続ける明日香を、瞬は優しい眼差しで見つめていた。
「うん」
瞬がチョコレートを買って戻ってくると、明日香は瞬に教わりながら作り直す。
「生クリームは、弱火で少し温めるだけにして。もうそれくらいで大丈夫。そしたらチョコレートと混ぜて、あとは?ラム酒だっけ?」
「うん。ラム酒はダークチョコに混ぜて、こっちのホワイトチョコはオレンジリキュールを入れるの」
「へえ、美味そう!」
冷蔵庫に入れ、固まるのを待つ間に使ったボールや鍋を洗う。
「明日香、ほっぺにチョコついてるぞ」
「え、どこ?」
「ここ」
そう言って瞬は、明日香の左頬にチュッとキスをした。
「ん、あまっ」
ぺろっと自分の唇を舐めて呟く瞬に、明日香は顔を真っ赤にして仰け反る。
「しゅ、瞬くん。あの、何を……」
「ん?火曜日だから、キスしても問題ないよな?」
「そ、それは、その……」
「心配するなって。あとでもっとちゃんとしたキスしてやるからさ」
「でも、もうすぐ日付けが変わって水曜日になるよ?」
えっ!?と今度は瞬が仰け反って驚く。
「そんなにシビアなのか?0時ちょうどで締め切り?なんだよそれ、シンデレラかよ!」
「そんなに怒らなくても……」
「せめて寝るまでにしろ!」
「う、うん。分かった」
「よし」
そうこうしているうちにちょうど頃合いになり、冷蔵庫から取り出したチョコトリュフを丸めていく。
最後の仕上げにココアパウダーと粉砂糖をまぶした。
「出来た、完成!やったー!」
明日香は満面の笑みで瞬に抱きつく。
「ありがとう!瞬くん。おかげで無事に作れたよ」
「良かったな。早速食べてもいい?」
「うん!美味しいかな?どうかな?」
ドキドキしながら見つめていると、瞬はパクっとひと口で頬張り、明日香に笑顔で頷いた。
「うん、美味い!」
「ほんと?良かったー!」
「なんかさ、こんなに嬉しいもんなんだな、手作りチョコって」
視線を落として瞬はしみじみと呟く。
「え、そう?買ってきた高級チョコの方が美味しいでしょ?」
「んー、そういうのとは全く別次元。俺の為に一生懸命作ってくれた明日香の気持ちが嬉しい。しかもこんなに大変な思いまでして」
「それは私が下手だからだよ。普通ならもっと簡単に作れるはずなのに」
「けどさ、余計に明日香が愛おしくなった。それに二人で作る時間が楽しかったし。また来年も一緒に作ろうか」
「本当に?いいの?」
「ああ、もちろん」
明日香はパッと顔を明るくする。
「じゃあね、来年はハートのチョコクッキーを作りたいの!真ん中にイチゴジャムを詰めてね。あみちゃんから教えてもらったんだけど……」
興奮気味にしゃべり続ける明日香を、瞬は優しい眼差しで見つめていた。