Side Story 〜葉月まい 番外編集〜
ランチのあと、美桜はアレンの母の形見でもあるフルートを持って、メアリーと一緒にパレスのエントランスに下りた。
これから馬車で街の教会へ行き、メアリーのピアノ伴奏でフルートを演奏する。
近所の子ども達が母親に連れられて聴きに来てくれる為、ちょっとしたクリスマスのお菓子も配るつもりだった。
今日の衣装は美桜がオフホワイト、メアリーが赤と、クリスマスらしい色のドレスにした。
メイソンが馬車の扉を開けてくれ、反対側からメアリーが乗り込むと、美桜は見送りに出てくれたアレンを振り返る。
「それじゃあ、アレン。行ってくるね」
「ああ。気をつけて行ってらっしゃい」
そう言ってアレンは優しく美桜の肩を抱き寄せ、頬にキスをする。
途端に美桜は顔を真っ赤にした。
「じゃ、じゃあね」
そそくさと背を向けて馬車に乗り込む美桜に、アレンはクスッと笑う。
イギリスではどうってことないのに、美桜は未だに人前でキスされるのを恥ずかしがる。
(可愛いな。早く二人きりになりたい)
またしてもそんな考えがアレンの頭をよぎる。
(いけない。俺も仕事をしっかりがんばらないと)
早く片付けて今夜は美桜とゆっくり過ごそうと思いながら、動き出した馬車から手を振る美桜を、アレンも笑顔で見送った。
これから馬車で街の教会へ行き、メアリーのピアノ伴奏でフルートを演奏する。
近所の子ども達が母親に連れられて聴きに来てくれる為、ちょっとしたクリスマスのお菓子も配るつもりだった。
今日の衣装は美桜がオフホワイト、メアリーが赤と、クリスマスらしい色のドレスにした。
メイソンが馬車の扉を開けてくれ、反対側からメアリーが乗り込むと、美桜は見送りに出てくれたアレンを振り返る。
「それじゃあ、アレン。行ってくるね」
「ああ。気をつけて行ってらっしゃい」
そう言ってアレンは優しく美桜の肩を抱き寄せ、頬にキスをする。
途端に美桜は顔を真っ赤にした。
「じゃ、じゃあね」
そそくさと背を向けて馬車に乗り込む美桜に、アレンはクスッと笑う。
イギリスではどうってことないのに、美桜は未だに人前でキスされるのを恥ずかしがる。
(可愛いな。早く二人きりになりたい)
またしてもそんな考えがアレンの頭をよぎる。
(いけない。俺も仕事をしっかりがんばらないと)
早く片付けて今夜は美桜とゆっくり過ごそうと思いながら、動き出した馬車から手を振る美桜を、アレンも笑顔で見送った。