Lovers' melancholy【『WITH』番外続編】
「そう、だね……二人にだけは、隠せないのかもしれない」
クスクスと笑いながら、目の前のホットコーヒーのカップを両手で包み込んで。
寒さで悴んだ指先に、じわじわとあたたかさが染み渡っていくのを感じていた。
「……アイツは?ソレ、知ってるの?」
ゆっくりと首を横に振って晴哉を見つめると、晴哉は盛大に溜息を吐いて、困ったような顔をしていた。
「今…、廉は仕事が忙しいみたいだから……内緒なの」
「本当、紗和ちゃんて……アイツが絡むと、何でも一人で耐えようとするよね……」
さっきと同じ真顔に戻って、どこかおもしろくなさそうに外へと視線を向けた晴哉に、私は困惑する。
「そんなこと…「あるでしょ?」