Lovers' melancholy【『WITH』番外続編】

『ない』と言う前に、ピシャリと音がしそうなくらい、バッサリ言い切られてしまったら何も言えなくなって。




「本当、晴哉には敵わない」


「……そ？段々、オレに戻りたくなってきたでしょ？」




悔し紛れに言った、言葉のあと。


満面の笑顔を私へと向けてそう言った晴哉に、……やっぱり私は苦笑いを浮かべた。




「紗和ちゃんは相変わらず、嘘が付けないね……
この隙に、アイツから奪っちゃおうかと思ってたのにさ？」


「……へ？」




笑顔なままの晴哉に私は驚くばかりで、目を瞬かせてばかりいると、




「言っとくけど、冗談じゃないからね？またアイツが、紗和ちゃんをほったらかしにするようなことがあったら……」




一旦、言葉を切った晴哉の表情は、真剣なモノに摩り替わっていて。


ジッと見つめられた私は、首を傾げてしまう。




「……紗和ちゃんの気持ちなんて気にせず、掻っさらうから♪」