Lovers' melancholy【『WITH』番外続編】
「え……?」
にっこりと笑う晴哉に私は驚きすぎて、それ以上何も言葉を発せず……まじまじと見つめ返してしまった。
それは……、つまり……?
「……ごめん、諦め悪くて。
でも、本当に!!紗和ちゃんとアイツが幸せなら、邪魔するつもりはないからさ?」
「う、ん……」
穏やかに話す晴哉に、ズキズキと胸が痛み出して……罪悪感に襲われる。
私は今でもまだ、晴哉を傷付けてるんだ……
廉に会えないから、寂しい。
……なんて、晴哉の前でだけは、絶対に言っちゃいけないことだったのに…!!
「……さて!!
紗和ちゃん、そんなに考え込まなくても大丈夫だからさ……
ちょっと、携帯貸してくれない?」
人懐っこい笑顔でそう言われた私は、言われるがままに……
何も深く考えず、晴哉に携帯を手渡していた。