Lovers' melancholy【『WITH』番外続編】
「へー…、よくオレだって気付いたね?でも、紗和ちゃんには代わってあげない♪」
「……紗和に何もするなよ?」
イライラも焦りも抑え込んで、忠告するように静かにそう言った俺に、
「何も…って言われても、どうしよっかなー…?
紗和ちゃん寂しそうにしてるし、慰めるために抱き締めようかと思ってるけど?」
「……お前ら、今、ドコにいるんだよ!?」
挑発するような晴哉の物言いに、沸点をとうに越していた俺は居ても立ってもいられず、そう口走っていた。
でも、受話口からは何の返答も返っては来なくて。
「オイ……、」
「れ、廉……!?」
沈黙に耐えかねて、もう一度問い掛けた瞬間、聞こえてきたのは愛しい彼女の声だった。