Lovers' melancholy【『WITH』番外続編】
紗和の思慕
* *
明日は、クリスマスイヴ―――
晴哉の言ったことを信用してないわけじゃないけど、きっと廉は仕事を放り出してまで私に会いに来るとは思えない。
廉は……、そんなこと出来ない人だし、仕事ってそんなに簡単に放り出せないモノだし?
だから、1ヶ月も会えてないんだけど……
真っ暗な部屋に帰ってきて、暖房を入れると電気もつけずにソファーに座り込んだ。
窓から見える遠くのネオンに、
溜息を吐いてしまうのは……
本当はクリスマスじゃなくても、
キレイなモノは廉と一緒に見たいと思うし、一緒にいる時間がもっと欲しいと思ってるからだと思う。
でも、それはやっぱりお互い社会人なわけだし……我儘なんて言えるハズなくて。
ううん、それ以前に……
素直に気持ちを伝えてしまえば、廉はきっと無理をしてでも会いに来ようとするから、言っちゃいけない。
フカフカのクッションをギュッと抱き締めていると、段々、瞼が重たくなってきて……
あ、廉がいなくても眠れそう…?
そう思った時には、睡眠不足の思考回路はぷつん…と遮断されていた―――