Lovers' melancholy【『WITH』番外続編】
「スッゲー、会いたかった」
「……うん、私も」
自然と笑みがこぼれてしまうくらい、嬉しくて。
そんな私に、廉はホッとしたような表情を浮かべて、髪を撫でてくれていた。
「廉…、仕事は?
……ていうより、なんで鍵…?」
「今日の分は片付けてきたから、大丈夫。鍵は、玄関まで律が一緒だったんだ。……で、律から伝言。『今日は帰らない』ってさ。
それより……、本当に何も無かった?」
「何が……?」
ゆっくりと少しだけ離れた至近距離で、廉に真っ直ぐに見つめながら問われて、私は視線を合わせたまま、首を傾げてしまう。
「何って……、晴哉に会ってただろ?」