Lovers' melancholy【『WITH』番外続編】




「あ、いや…紗和?怒ってはないから…、な?」




その声に顔を上げると、柔らかく微笑む廉がいて。




「……本当に?」


「ん、怒ってない。
……けど、消毒、しないとな?」




そう言って重ねられた唇は、
すぐに深く合わさって……


廉のこと以外、何も考えられなくなる。


求められて、甘い感覚に酔わされて……




「消毒完了……?」




離れた廉に凭れたまま聞いたら、満足そうに微笑まれた。




「紗和、今から出れる?」


「……へ?」


「出れるなら、行くけど……」




ドコへ…?なんて、聞く暇も無く。


廉に誘われるがまま、部屋を後にした―――



< 35 / 39 >

この作品をシェア

pagetop