Lovers' melancholy【『WITH』番外続編】
Happy Merry Christmas
[SIDE 紗和]
廉に連れられて、着いた場所は…
「……廉の部屋?」
「ん、とりあえず入って?」
促されて入る一人暮らしの廉の部屋は、まだ何度かしか来たことがなくて。
何となく、物珍しくてキョロキョロしてしまう。
ローテーブルの前のフローリングに座り込んでいると、背後から廉に包み込まれるように抱き締められた。
「どうしたの?」
「んー…?俺の部屋に紗和がいるの、何かいいなー…と思って」
私が廉を求めていたように、廉も私を求めてくれてたのかなーって思ったら、
嬉しくて、私も頷いていた。
一緒にいられる時間が少ないからこそ、こんな一時がスゴク大事で。
かけがえのない大切な人を、本当に愛しく感じられる。
「廉、好き……」
「……知ってる。俺も、紗和が好きだし」
向き直って顔を見合わせて、
二人でクスクスと笑い合っていた。