Lovers' melancholy【『WITH』番外続編】
[SIDE 廉]
笑い合ってるうちに、ピピッとデジタル音が静かな部屋に響いて、日付が変わる。
「メリークリスマス」
ようやく会えた愛しい彼女に触れるだけのキスをして。
小さな紙袋を、紗和に差し出した。
「……何?」
「大したもんじゃないけど、クリスマスプレゼント?」
首を傾げる紗和に微笑んで、
「開けていい?」
「ん、どうぞ」
カサカサと音がしたあと、紗和は出てきたモノと俺を見比べている。
「……気に入らなかった?」
「ううん、嬉しい……。いつでも来ていいってこと?」
俺からのクリスマスプレゼントであるこの部屋の鍵を、嬉しそうに両手で握り締めながら話し掛けてくる紗和に、ホッと息を吐く。
でも本当は、ココからが本番―――