Lovers' melancholy【『WITH』番外続編】
晴哉の思惑[1]
* *
「ねぇ…、晴哉?
そろそろ私と付き合ってくれる気になったかしら?」
大学の構内を歩いていた時。
いきなり背後から、腕に絡み付いてきた女の手と、より密着させるかのように押し付けられている胸の膨らみ。
キツイ香水の香りに…、ムカムカする。
彼女はここ数ヶ月、オレに付き纏う……という言い方は、悪い気もするけれど。
やっぱり迷惑被ってるから、
付き纏ってる、で合ってるかもしれないな。
とりあえず、オレに好意を寄せてくれていることは確かなんだけど……
「本気、無理だから……。
いい加減、諦めてくれない?」