The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
その夜。

我が家には、いつもの幹部組が集まっていた。

ルレイアを招いた覚えはあるのだが、その他の人間を招いた記憶はないぞ。

何で当たり前のようにいるんだ?

「聞いてくださいよ皆さん。ホワイトデーなのに、ルルシーが何も用意してないって言うんですよ~」

早速アイズやアリューシャ達に愚痴るルレイア。

「えぇ~?ルル公何も用意してないの~?」

「忘れてたんだそうです」

「マジかよ。ったくこれだからルル公は分かってないぜ」

やれやれ、と呆れるアリューシャ。

お前も用意してないだろうが。人のこと言える立場か。

「酷いですよねぇ。俺、あんなに頑張ってチョコ作ったのに、お返しもなしなんて…。俺は悲しいです。えーんシュノさん。ルルシーがホワイトデー忘れてたんです~」

そして、またしてもルレイアはシュノに泣きついた。

勿論いつもの嘘泣きなのだが、シュノはそれを本気にしていた。

ルレイアが泣かされた!とばかりにはっとして、俺に声をあげた。

「ルルシー!それは酷いと思うわ!ホワイトデーなのに、お返しを忘れるなんて!」

シュノ。頼むからいい加減、それがルレイアの嘘泣きだってことに気づいてくれ。

「ふふ。相変わらずルレイアにモテモテだね、ルルシー」

「アイズ…。お前、他人事だと思って…」

「今からでも遅くはないよ。ルレイアに何か、お返し用意してあげたら?」

「…仕方ないな」

明日…クッキーでも焼こうか。ルレイアの為に。

ついでに、アリューシャやシュノ達にもあげよう…。

あぁ、ったく…何で俺がこんなこと。

「あのオルタンスでさえ、ホワイトデーを忘れなかったというのに。本命のルルシーが忘れるなんて大問題ですよ。全く」

ルレイアは、呆れたようにそう言った。

…ん?オルタンス?

「…は!?」

ルレイアが何を言ったのか、一瞬俺は耳を疑った。

「何ですか?」

「何ですかじゃない!オルタンスが…オルタンスが何だって!?」

オルタンスと言えば、帝国騎士団の長。俺達にとっては敵の総大将だ。

その男が、ホワイトデーに、何だって?

「お返しが送られてきたんですよ。オルタンスから。ホワイトデーだからって」

「はぁ…!?」

お前という奴は、一体何で、敵の総大将とチョコのやり取りをしてるんだ?

ルレイアがオルタンスに、バレンタインチョコ送ったのは聞いていたけど。

それでさえルレイアは馬鹿だと思ってたのに、オルタンスは何をやってるんだ?
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