The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
改めて。

「『青薔薇解放戦線』の…ルアリス、と言ったか。俺は『青薔薇連合会』の幹部、ルルシー・エンタルーシアだ」

やはり、この人がルルシー殿なのか。

「で、こっちのエロいのが…ルレイア・ティシェリー。見た目はエロいし中身もエロいから、命が惜しければこいつに近寄らないことだ」

「は、はぁ…」

「ちょっと~。ルルシー。俺に酷くないですか~?」

命が惜しければ近寄るなと言ったが、もう既に時は遅い気がする。

だって、既に出会ってる訳だから。

「それで…。俺達に何の用だ?…武器を売れという取り引きなら、条件次第で受けるつもりだが」

「はい。それは…お願いさせてもらおうと思っています」

勿論、その挨拶を兼ねているが。

俺が頼みたいのは、それだけではない。

「それに…もう一つ、頼みたいことがあります」

「…戦力を貸せ、と言いたいんだろう?」

…やはり、読まれているか。

それ以外に、頼むことはないだろう。

「…お願い出来ませんか。相応のお礼はさせて頂くつもりです」

「悪いが、以前答えた通りだ。それは断る」

「…駄目ですか。やはり」

「駄目だ」

…交渉の余地もなし、か。

まぁ…仕方ないよな。

一度、断られている訳だから…。

「武器その他、革命に必要な物資の提供はしてやる。金を払うならな…。でも、それ以上はお断りだ」

「…分かりました」

これ以上しつこく食い下がって、武器の売買まで断られる訳にはいかない。

残念だが…ここで退いておかなくては。

「それを頼む為にわざわざ足を運んだんだろうが…。悪いな」

「いえ…。こちらこそ、何度も済みませんでした」

フランベルジュ殿と、帝国騎士団の協力を得られただけで、身に余るほどの幸運なのだ。

…そんな、俺とルルシー殿のやり取りを、ルレイア殿はつまらなさそうに眺めていた。

実際彼にとっては、どうでも良いことなのだろう。

「また連絡させてもらいます。ルルシー殿」

「あぁ」

本当なら、武器なんて使わずに済めば一番良いのだけど。

それは…無理、かもしれないな。

「それでは」

俺とセトナ様は、ルルシー殿とルレイア殿に一礼して、話を切り上げた。





「…さっきの女の子、誰だったんですかね?」

俺とセトナ様が去ったその後で、ルレイア殿が呟いた。

「何だ?お前の好みだったのか?」

「俺の好みはいつだってルルシーですよ。そうじゃなくて…あの人、挨拶も何もしませんでしたから」

「そういえばそうだが…。『青薔薇解放戦線』のメンバーなんじゃないのか?」

「…ふーん」

ルレイア殿は、俺が何も言っていないのに…セトナ様の素性について、その時点である程度察していたのかもしれない。
< 108 / 791 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop