The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「ルルシ~…。俺は寂しいですよぅ」

「…」

こいつは、自分の仕事をサボって、俺の仕事の邪魔をしなければ気が済まないんだろうと思っていたが。

もしかしてそれは、間違いなんじゃないかと…最近思い始めた。

こいつは、俺の仕事を邪魔することが自分の仕事だとでも思ってるんではなかろうか。

そうだとしたら、最早俺には何も出来ない。

というか、昔からこいつを止められた試しがない。

暴走機関車、ルレイアだ。

「ねールルシ~」

「喧しい奴だな…。何なんだよ?」

「喧しい!?ルルシーは俺がこんなに悲しそうにあなたの名前を呼んでるのに、喧しい呼ばわりですか!?この俺に喧しいなんて言える人間は、ルティス帝国広しと言えどもあなただけですよ!あぁ本当に好き!」

「何なんだよお前は…」

抱きついてくるなよ。

「俺はいつでもあなたのルレイアですよ」

「…はいはい」

そんなに目をきらきらさせなくても、分かってるよ。

お前がルレイアだってことは。

「俺を慰めてください~…」

「どうしたんだ…?」

慰めなきゃならないようなこと、何かあったか?

「俺、明日から出張なんです。一週間くらい」

「そうなのか?何処に?」

「何処に行くかなんて問題じゃないんですよ!一週間もルルシーに会えないんですよ?箱庭帝国だってこんな残虐な刑罰は禁止されてますよ」

「…」

一週間俺に会えない刑って…それ、無罪と同じでは?

ルレイアにしかダメージないだろ。

「今度は何なんだ?またいつぞやみたいな…ハーレム旅行か?」

思い出す。以前の、二週間のルレイアのハーレム旅行を。

あのときは…ルレイアが留守の間に、色々大変なことがあったなぁ。

「ハーレム旅行ではないですね。取り引き先のお嬢さんを落としに行く出張なので」

結局ハーレム旅行じゃないか。

「一人落とすだけじゃつまらないので、ついでに五、六人落としてきます」

「そうか…。お前はいつでも絶好調だな」

こうして、またルレイア・ハーレムの会員が増えていくんだな。

もう俺は止めないぞ。止めて止まる男でもないしな。

「ルルシーと離れるの寂しいです~」

一週間くらい良いだろ、とか…。我慢しろ、とか…言いたいところだが。

そんなことを言ったら、ぷんぷん怒り出すに決まっている。

「ルルシーは俺がいないのに寂しくないんですかっ?」とか。絶対言う。

なので。

「帰ってきたら、また一緒にカラオケ行こう、ルレイア。だから一週間頑張れ」

「…!」

出来るだけ優しくそう言ってやると、ルレイアは感動にうち震えていた。

おぉ、喜んでる喜んでる。
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