The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
『青薔薇解放戦線』のメンバーが一人、血相を変えて転がり込んだ来た。

「り、り、リーダー!大変です!」

「!どうした!?」

「しゅ、襲撃です!仲間がもう何人もやられて…」

何だと?

俺も、フランベルジュ殿も、これは予想していなかった。

まさか…憲兵局が、ここに乗り込んでくるなんて。

一気に頭を潰すつもりか。

馬鹿な。国境が近いとはいえ…ここは一応、ルティス帝国領なんだぞ。

そこに堂々と、軍勢を率いて攻め込んできたと言うのか?

「襲撃規模は!?」

夜間の強襲、戦うことに慣れてない仲間達。

おまけに、『青薔薇連合会』に発注したばかりの武器だって、まだ届いていないのに。

それでも、黙ってやられる訳にはいかない。

なんとか時間を稼ぐのだ。一人でも多くの仲間を逃がして…。

襲撃規模が少なければ、敵の目を突いて逃げ、

「ひっ…一人です!」

「え…ひ…一人?」

何千、何万ではなく?

一人?たった一人?

「…一人で…攻め込んできたのか?」

憲兵局が?何で?

一体どうなってるんだ?

「そ、その一人があまりにも強くて…。あれは化け物です!お逃げください、リーダー!」

たった一人の軍勢を相手に、逃げろと言われている。

事情を知らない者から見れば、酷く滑稽なことだったろう。

とにかく、相手が一人なのなら…それほど恐れることはないはず。

「落ち着くんだ。冷静になって…ひとまず状況を詳しく、」

俺がそう言いかけたとき。

伝令に来てくれた仲間の身体が、後方に吹き飛んだ。

「!?」

その人が戸口に現れたとき、俺は本当に、死神が俺達の命を刈り取りに来たのかと思った。






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