The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルレイア

──────…俺はルルシーが怪我をしたと知らされたときから、既に腹を決めていた。

ルルシーを傷つけた輩は、相手が誰であれ、絶対に許さないと。

血肉の一欠片も残さず、皆殺しにしてやると。

だから、犯人が『青薔薇解放戦線』ではないと言うのなら。

俺がぶちのめすべき敵は、ただ一つだ。

そうだというのに、ぽかんとしたルアリスの顔は、なかなかに見物だった。

「え…あの…は？」

「聞こえませんでしたか？難聴ですか、あなたは…。『青薔薇連合会』は革命軍に協力してやるって言ったんですよ」

「…！？『青薔薇連合会』が…革命軍に協力する…！？」

「戦力貸してくれってうざいほど頼みに来てたじゃないですか。いざ貸してやるって言うとオウムになるんですか」

良いか、俺は今、イライラしているのだ。

何せ、ルルシーを傷つけてくれた糞ゴミ屑野郎をぶちのめし損ねたからな。

こいつらが犯人だったら分かりやすかったのだが。そうではないと言うのだから。

「協力してやりますよ。敵の敵は味方ですからね。ルルシーを傷つけたのが憲兵局だって言うなら、俺は奴らを地の果てまで追ってやる。精々便利な盾として、あなた方を使ってあげましょう」

「…！それは…」

「不満ですか？革命軍の目的は憲兵局を打倒し、国を取り戻すこと。俺は国なんて糞どうでも良いですが、でも憲兵局とやらを生かしておく訳にはいかない。俺達の利害は一致していると思いますが？」

「…」

俺の目的は、憲兵局をぶちのめすところまでだが。

こいつらはその後に、国をどうこうしようとしている。

俺は箱庭帝国の事情なんて知ったことではないから、憲兵局をぶちのめしたその先は、こいつらが勝手にすれば良い。

「断ると言うなら別に良いですよ。俺は一人ででも憲兵局をぶっ倒しますから。お好きにどうぞ。…ただし、俺の邪魔をするならお前達も斬り捨てる」

「…」

ぞっとしたような顔をするルアリス。どうやら、先程までの脅しが効いているようだな。