The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
すると。

「ルレイア…。革命軍には協力しないんじゃなかったの?良いの…?」

シュノさんが、おずおずと俺にそう尋ねた。

あぁ、そういや…俺、独断で決めちゃってるな。

「やられたら倍にして報復する。マフィアの掟じゃないですか。幹部をおめおめと怪我させられて泣き寝入りなんて、『青薔薇連合会』の名が泣きますよ、シュノさん」

「それはそうだけど…でも、相手は他国の政府なのよ?」

「自分の国の政府ともあれだけ揉めたのに、今更じゃないですか」

よその国とはいえ、箱庭帝国みたいな糞の役にも立たない弱小国家の政府なんて、俺にとっては幼稚園のお遊戯会みたいなもの。

帝国騎士団の厄介さと比べたら、なんてことはない。

とはいえ。

「アシュトーリアさんが俺の決定に異を唱えるなら、それでも良いです。俺は『青薔薇連合会』を離反して、一人で革命軍に協力します。ルルシーの復讐を果たせるのなら、革命軍だろうと帝国騎士団だろうと、地獄の死神とだって手を組みますよ、俺は」

「…よく分かってるよ、ルレイア」

暴走している俺を見て、はらはらしていたシュノさんとは裏腹に。

アイズレンシアは、やれやれといった風に溜め息をついた。

「君がここに乗り込んだ来たときから、こうなるだろうと思ってたよ。好きにすれば良い。止めようとしたって止まらないのは分かってるからね」

さすがアイズ。話の分かる男だ。

「それとね、『青薔薇連合会』を離反する必要はない。アシュトーリアさんは君を敵に回さないことを第一に考えていた。ルレイアの好きにさせようってね。だから好きにすると良い。アシュトーリアさんには私から伝えるよ」

「アイズ…あなたは本当、最高の親友ですね」

さすがは『青薔薇連合会』の次期首領。

そして、アシュトーリアさんも。俺の扱い方というものをよく分かってる。

俺の暴走は止められない。ならせめて…俺の暴走でとばっちりを食らわないように立ち回る。

賢い人だ。全く。

「それに…君の言う通り、幹部を襲われて泣き寝入りなんて、マフィアの威信に関わるからね。個人的にも、ルルシーを傷つけてくれたお礼はしたい」

…素晴らしい。

ならば、こちらの方針は決まりだな。

「で…どうするんですか?俺に協力するか、しないか。俺の邪魔をするか、しないか。俺は時間がないんでね、今ここで答えて頂きましょうか」

「…」

ルアリスは、恐ろしいものでも見るかのような目で、俺を見上げていた。
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