The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

ルアリスが、俺に協力すると言うなら。

先程言った通り、こいつらの戦力となって、一緒に憲兵局をぶちのめしてやる。

精々便利な盾にしてやる。

ハナから俺はこいつらを戦力だとは思っていない。

ろくな訓練もされてない、統率も取れない烏合の衆が、戦場において足手まとい以外の何物にもならないことはよく知っている。

そんな連中の使い道なんて、弾除けにするか、爆弾を抱えて飛び込ませるくらいだ。

いてもいなくても大して変わらないが、防御くらいには使える。

それよりこいつらの使い道は、情報源にある。

俺は箱庭帝国のことも、憲兵局のこともほとんど知らないからな。

その辺の情報を提供してもらえるなら、俺にとってはそこそこ旨味がある。

逆に言えば、その程度の利用価値しかない奴らなのだ。

だから協力するもしないも、好きにすれば良い。

協力すると言うなら、良し。

でももし、断ると言うのなら。

それはそれで好きにすれば良い。俺はこいつらを戦力として全くアテにしていないのだから。

情報源としてあった方が良いかなとは思うが、それだってたかが知れている。

断るなら俺は好きにさせてもらう。でも、もし俺の邪魔をするなら。

そのときは…こいつらは敵だ。

容赦なく、全員斬り捨ててやる。

俺は『青薔薇解放戦線』の革命なんて、全くどうでも良いんだからな。

断るなら断っても良いが、でも邪魔だけはするな。

俺の要求はそれだけだ。

このルアリスとかいう革命軍のリーダーが賢ければ、俺に協力する、と言うだろう。

でももし、こいつが馬鹿だったら。

『青薔薇解放戦線』もまた、憲兵局と同じ…お遊戯会同然だな。

そう思っていた。

すると。

「…『青薔薇解放戦線』は、『青薔薇連合会』に協力します」

ルアリスは、怯えながらも俺の目を見て、はっきりとそう言った。

「…へぇ」

どうやらこの男、あながち馬鹿でもなかったようだ。

ということはこの組織、小学生の生徒会程度には…賢いらしいな。