The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルアリス

──────…ミルミルやラシュナは、正気か、という顔で呆然としていた。

こんな悪魔のような男に協力するなんて…確かに、正気の沙汰ではないな。

でも俺は。

俺には、箱庭帝国を救うという使命がある。

その指名の為なら…。

悪魔や死神とだって、手を組む。

彼のように。

そうでなければ、革命を完遂出来ないと言うのなら。

「…本当に、良いんですね?」

「はい」

『青薔薇連合会』の戦力を借りられるなら、願ってもないことだ。

俺達だけでは…憲兵局に太刀打ちするには厳しいから。

確かに、ミルミルやラシュナが思っているように、この悪魔のような男と手を組むなんて、俺だって恐ろしくて堪らない。

でも、それだけ恐ろしい相手なら。

敵に回さないことを、第一に考えるべきだ。

迂闊に彼の邪魔になるようなことをしたら、『青薔薇解放戦線』はおしまいだ。

毒を飲まなければ治せない病なら、毒だって飲もう。

それで、祖国を救えるのなら安いものだ。

俺はそう判断した。

「宜しい。賢明な判断に敬意を表しますよ、ルアリスさん」

「…」

妖艶に頬笑む悪魔に、俺はまたぞっとした。

それでも俺にとってこの人は、今や…一番の味方なのだ。




< 134 / 791 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop