The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルルシー

──────…薄々、分かっていたことではあるが。

俺が目を覚ますと、大変なことになっていた。

そして、その大変なことを引き起こした男が俺のもとに戻ってきたのは、目を覚まして数時間後のことだった。






俺が意識を取り戻したと聞いて、急いで駆けつけたのだろう。

病室に飛び込んできたとき、彼の息は上がっていた。

「…!」

俺の顔を見るなり、涙目になって駆け寄ってきた。

「…ルルシー…」

泣きそうな声で、彼は俺に抱きついてきた。

…多分、めちゃくちゃ心配してたんだろうなぁ。

彼が入院していたとき、俺がそうだったように。

「悪かったな…。ルレイア」

「俺を残して、勝手に死んだら許しませんよ…」

「分かってるよ。勝手に死んだりなんかしないから」

そんなことして、あの世でどんな目に遭わされるか…分かったものじゃないからな。

そう簡単には死ねない。

「うぅ…ルルシ~…」

「はいはい…」

涙目でしがみついてくるルレイアの頭を、ぽんぽん、と優しく叩いてやる。

ったく、何で俺がこんなことを…とは思うけど。

今回ばかりは、俺が悪いのだから仕方ない。

それだけ俺が…ルレイアに心配をかけてしまったということなのだ。

「ルルシー、傷はもう痛くないんですか?」

「ん?痛いけど…でも平気だよ」

医師によると、毒はもう抜けているから…。あとは傷が癒えるのを待つだけとのこと。

傷そのものはそんなに深くないとのことだから、すぐ治るだろう。

「ルヴィア…。ルレイアも来たから、もう帰って良いぞ。ありがとう」

「あ、はい」

ルレイアに託されて、ルヴィアはずっと俺の傍についていてくれたそうだが。

もうルレイアが来たから、ルヴィアは帰らせても良い。

俺が意識を失っている間ずっと、俺の病室に泊まり込みだったらしい。

全く、家庭持ちのルヴィアに頼むことじゃないだろう。

「それじゃ…俺は失礼します。あとはお二人で…ごゆっくり」

ルヴィアは、感動の再会を邪魔しちゃいけない…みたいな顔で、そそくさと出ていった。

やっぱり呼び戻そうかな。

別に感動の再会って訳じゃないよ。

「ルレイア…ルヴィアから色々聞いたぞ」

「…?何をですか?」

何をじゃない。しらばっくれたって無駄だぞ。

「…『青薔薇解放戦線』に乗り込んで、奴らと同盟を組んだんだってな?」

「…」

結局…俺が一番恐れていたことが実現してしまった訳だ。
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