The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
その翌日。

ルレイア以下幹部仲間が、見舞いに来てくれた。

「やっほールル公~っ!来たぜ!絶世のスナイパー、アリューシャ参上!」

「やぁルルシー。元気?」

「お見舞いに来たわ」

「おー…」

喧しい奴らが来たな。

「アリューシャだぜ、ルル公!アリューシャ知ってる?覚えてる?見えてる!?」

「知ってるし、覚えてるし、見えてるし。お前がアリューシャだってことは、よーく分かってるよ…」

病室で騒ぐんじゃない、馬鹿アリューシャ。

俺は仮にも怪我人だぞ。もっと静かに入ってこい。

「ルルシー、体調はどう?まだ痛む?」

アイズが、俺にそう聞いてきた。

「少しな。でも…もう大丈夫だよ」

「無理しないでよ。君に何かあったら、ルレイアが大変なことになるんだから」

身に染みて分かってるよ。

「そういえば…ルレイアは?」

見舞いに来たのは、アイズとアリューシャとシュノの三人だけ。

ルレイアの姿は見えない。

「『青薔薇解放戦線』の件で、忙しくしてるよ。後で行くって言ってたから、午後にでも来るんじゃないかな」

「そうか…」

「ごめんなぁルル公…。アリューシャ達で。やっぱり見舞いに来るなら夫が良いよな?」

「何言ってんだよ、お前は…」

別にルレイアが来なくても良いよ。

元気でいることが分かってるなら。

「ルルシー、これ、お土産」

シュノが、かご一杯の果物をベッドサイドに置いてくれた。

「ありがとう、シュノ」

「ううん。早く良くなってね、ルルシー。ルレイアも待ってるから」

シュノは本当に良い子だなぁ。

それなのに。

「そうそう、早く治ってくれよルル公。早く治って、またアリューシャに飯作ってくれ!」

「…アリューシャ…お前」

見上げた根性だな、お前は。

少しはシュノを見習えよ。

「お前な、この機に自分が料理を覚えて、俺に食べさせてやろうとか、そういう殊勝なことは考えないのか?」

「え?ルル公、アリューシャに飯作れって?人に飯をタカるのはどうかと思うぜ、アリューシャは」

「自分の胸に手を当てて、もう一回言ってみろ」

お前が言うな、お前が。

こんなやり取りも…実にいつも通りで、ほっとするけれども。

…残念ながら、今は…そんな悠長なことを話していられる状況じゃないんだよな。
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