The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「…アイズ」

「なぁに?」

「『青薔薇連合会』はどうなってる?革命軍は…」

「…ルレイアがやってるから、そんなに心配しなくても良いとは思うけどね」

アイズははぁ、と溜め息をついた。

「今のところ大きな動きはないね。ルレイアが革命軍を帝都に呼んでる。幸いなことに、財布の心配はしなくても良いから…それだけは安心だよ」

帝国騎士団に金を出させてるんだってな。

国庫を打ち出の小槌のように使うのは、ルレイアくらいだ。

「しっかし、ルル公のこととなると、とんでもないことするよなぁ、ルレ公は」

全くだよ。

「でも、『青薔薇連合会』の幹部が暗殺されかけたのよ。黙ってる訳にはいかないわ」

と、シュノ。

シュノの言うことももっともだが…。

今回は…国が相手、だからな。

しかも、革命なんて…。

「そう心配しないでよ、ルルシー。君の相棒は、あの帝国騎士団を相手にしても一歩も退かなかったつわものだよ?」

俺の心配をよそに、アイズは意外にあっけらかんとしていた。

…まぁ、それはそうだけど。

「…えらく楽観的だな、アイズ」

珍しいじゃないか。いつもは現実的なアイズが。

「そりゃそうだよ。あの死神モードのルレイアを見てたら、もうこの世に彼の敵はいないなって思うよ」

「あれは凄かったわね。あの調子で、憲兵局も一網打尽に出来るわ」

「そうそう。迂闊に援護したらアリューシャまでやられそうで、手を出せなかったぜ」

「…」

あぁ…この三人、死神形態のルレイア…見たんだっけ。

アイズの楽観視にも納得である。

「あの狂犬を手懐けられるって、ルル公凄くね?一周回ってルル公の方がヤバくね?」

「やめてくれ…」

俺だってもて余してるくらいなんだからさ。

「何にせよ、ルルシー。早く怪我を治して、彼のサポートをしてあげてよ。私達じゃ彼には役不足だからね。…アシュトーリアさんも心配してたよ」

「あぁ…」

アシュトーリアさんにも、心配かけてるだろうな。

過ぎたことは、もうどうすることも出来ない。

今俺に出来ることは、アイズの言う通り…早く怪我を治して、ルレイアの手助けをしてやることだけだ。
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