The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
sideフューニャ
──────…最近、家の外に出ると。
いやに、街の空気がピリピリしているように感じる。
…ルヴィアさんも、相変わらずほとんど帰ってこないし。
私は不満であった。
ルヴィアさんは近頃、一週間に1~2回ほどしか帰ってこなくなり。
帰ってきたとしてもとてもお疲れで、ちっとも私を構ってくれない。
世の中には、亭主元気で留守が良い、という名言があるそうだが。
私はどうにも、あの言葉が理解しがたい。
元気で、ちゃんと帰ってきてくれなきゃ何にも楽しくないじゃないか。
彼がいないのに、一人で家にいてもつまらないばかりだ。
とはいえ、私は聞き分けの良い、従順で貞淑な妻なので。
夫が帰ってこないことに文句を言ったりはしないし、不貞腐れたりもしないのだ。
それより気になるのは、何でルヴィアさんがそんなに忙しいのか、という点だ。
彼のお仕事がお仕事なので、何があったのか詳しく聞きはしないし、それとなく尋ねてもルヴィアさんは何も言わないけど…。
…私の勘では、最近のこのピリピリした緊張感と…何か関係があるのではないかと思う。
私のこういう予感は、大抵当たっているのだ。
かつてないほどにルヴィアさんが帰ってこなくなったので心配になり、先日彼が帰ってきたとき、何かあったのかと聞いてみたところ。
ルヴィアさんは、心配しなくて良い、大丈夫だから、としか言わなかった。
詳しいことは何も話してくれず、私は何があったのか、ちっとも分からなかった。
気になるのは、私がそれを尋ねたとき…ルヴィアさんが、何処か後ろめたそうな顔をしたこと。
私に何か…隠そうとしていることがあるような…。
彼がそうまでして頑なに私に黙っている理由は…考えられることは一つだけ。
私を…何かから、守ろうとしてくれているのだと思う。
その為、私をその何かから、遠ざけようとしている。
私の考え過ぎであったら良いのだけど…。でも、あながち考え過ぎだとは思えない。
…ルヴィアさんは今頃、大丈夫だろうか?何をしているんだろう?
ちゃんと食べてるんだろうか。少しは眠れてるんだろうか。
…早く平和になって、帰ってきてくれれば良いのに。
彼の前では不貞腐れないけど、一人のときはどうしてもしょぼんとしてしまう。
家に一人でいても、つまらないし寂しさが募るだけだった。
だからこうして…お散歩に出るようにしているのだが…。
すると気になるのが…このピリピリした緊張感だ。
嵐の前の静けさと言うか…何か大変なことが起きる直前のような、そんな気がする。
テレビを観ても新聞を読んでも、私を怯えさせるようなニュースは見られない。
でも…もし本当にこの件にルヴィアさん達『青薔薇連合会』が絡んでいるのだとしたら…一般には報道されないだろう。
…分からない。
何が起きているのか。何が起きようとしているのか…。
…いや。本当は…身に覚えはあるのだ。
でも…それが外れていて欲しい、と願っている自分がいる。
もし本当に「そう」なのだとしたら。ルヴィアさんが帰ってこられない原因。この嵐の前の静けさにも納得が出来る。
それでも私は、最悪の事態を否定しようとしていた。
だってもし本当にそんなことになったら…私はもう、ルヴィアさんの傍にはいられな、
「…ようやく見つけたぞ。フューシャ」
…唐突に耳に届いた、懐かしいその声に…私は身体が凍りついた。
いやに、街の空気がピリピリしているように感じる。
…ルヴィアさんも、相変わらずほとんど帰ってこないし。
私は不満であった。
ルヴィアさんは近頃、一週間に1~2回ほどしか帰ってこなくなり。
帰ってきたとしてもとてもお疲れで、ちっとも私を構ってくれない。
世の中には、亭主元気で留守が良い、という名言があるそうだが。
私はどうにも、あの言葉が理解しがたい。
元気で、ちゃんと帰ってきてくれなきゃ何にも楽しくないじゃないか。
彼がいないのに、一人で家にいてもつまらないばかりだ。
とはいえ、私は聞き分けの良い、従順で貞淑な妻なので。
夫が帰ってこないことに文句を言ったりはしないし、不貞腐れたりもしないのだ。
それより気になるのは、何でルヴィアさんがそんなに忙しいのか、という点だ。
彼のお仕事がお仕事なので、何があったのか詳しく聞きはしないし、それとなく尋ねてもルヴィアさんは何も言わないけど…。
…私の勘では、最近のこのピリピリした緊張感と…何か関係があるのではないかと思う。
私のこういう予感は、大抵当たっているのだ。
かつてないほどにルヴィアさんが帰ってこなくなったので心配になり、先日彼が帰ってきたとき、何かあったのかと聞いてみたところ。
ルヴィアさんは、心配しなくて良い、大丈夫だから、としか言わなかった。
詳しいことは何も話してくれず、私は何があったのか、ちっとも分からなかった。
気になるのは、私がそれを尋ねたとき…ルヴィアさんが、何処か後ろめたそうな顔をしたこと。
私に何か…隠そうとしていることがあるような…。
彼がそうまでして頑なに私に黙っている理由は…考えられることは一つだけ。
私を…何かから、守ろうとしてくれているのだと思う。
その為、私をその何かから、遠ざけようとしている。
私の考え過ぎであったら良いのだけど…。でも、あながち考え過ぎだとは思えない。
…ルヴィアさんは今頃、大丈夫だろうか?何をしているんだろう?
ちゃんと食べてるんだろうか。少しは眠れてるんだろうか。
…早く平和になって、帰ってきてくれれば良いのに。
彼の前では不貞腐れないけど、一人のときはどうしてもしょぼんとしてしまう。
家に一人でいても、つまらないし寂しさが募るだけだった。
だからこうして…お散歩に出るようにしているのだが…。
すると気になるのが…このピリピリした緊張感だ。
嵐の前の静けさと言うか…何か大変なことが起きる直前のような、そんな気がする。
テレビを観ても新聞を読んでも、私を怯えさせるようなニュースは見られない。
でも…もし本当にこの件にルヴィアさん達『青薔薇連合会』が絡んでいるのだとしたら…一般には報道されないだろう。
…分からない。
何が起きているのか。何が起きようとしているのか…。
…いや。本当は…身に覚えはあるのだ。
でも…それが外れていて欲しい、と願っている自分がいる。
もし本当に「そう」なのだとしたら。ルヴィアさんが帰ってこられない原因。この嵐の前の静けさにも納得が出来る。
それでも私は、最悪の事態を否定しようとしていた。
だってもし本当にそんなことになったら…私はもう、ルヴィアさんの傍にはいられな、
「…ようやく見つけたぞ。フューシャ」
…唐突に耳に届いた、懐かしいその声に…私は身体が凍りついた。