The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルヴィア

──────…フューニャがならず者に襲われかけているところを見て、俺は自分の危機管理の甘さを痛感した。

こうなることは、予測出来ていただろうに。

憲兵局の秘密部隊は、『青薔薇解放戦線』に協力する人物・組織の家族を狙っている。フューニャに矛先が向いても何らおかしなことはない。

こんなに早く、『青薔薇連合会』が革命軍の味方についたことを憲兵局が掴むとは思わなかったのだ。

これは、俺の過ちだった。

本来ならばすぐに、フューニャに護衛をつけるべきだった。

俺は今回の革命の件を、フューニャには知らせたくなかった。

彼女は自分の生まれ故郷の記憶を、もう過去のこととして忘れようとしている。

それなのに、かの国で革命軍が動き出しているなんてことを知れば、しかもその件に俺が関わっていることを知れば…酷く心配するに決まっている。

余計な心配をかけたくはなかった。

フューニャは聡い子だし勘も良いから、部下をこっそり護衛につけたとしても、彼女はすぐに感付くだろう。

そう思って、俺はフューニャに何も話さず、また護衛もつけなかった。

それが仇になった。

今回は、運良く俺が居合わせたから良かったようなものの。

暗殺者に刃物を向けられて、怯えていたフューニャの顔を思い出すと、自分の不甲斐なさに腸が煮え繰り返る。

どれほど彼女に怖い思いをさせてしまったことか。痛い思いをさせてしまったことか。

それに…今日のことで、フューニャも憲兵局のことを…革命軍のことを知ってしまった。

話さない訳にはいかない。

俺も…覚悟を決めなくては。

そう思っていた矢先に…フューニャの方から、その言葉が飛び出してきた。
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