The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルルシー

───────…オルタンス達がそんなやり取りをしていたことも露知らず。

ルレイアは、このにこにこ顔であった。

「オルタンスのアホがですね、ワイン送ってきたんですよ。結構良い奴ですよ、あれ。今度持ってきますから、皆で飲みましょう」

「お前…」

送る方も送る方だが、もらうルレイアもルレイアだぞ。

ルレイアのことだから一応、毒物等の検査はしたのだろうが…。

「ホワイトデーにワインかよ」

「クッキーも送ってきてましたよ。でもクッキーは要らないので、そこの池の鯉に全部あげました」

随分と高級な餌をやったもんだ。

全く…。オルタンス、一体何を考えてるんだか。

…案外、何も考えてないのかもしれないなぁ。

「だからルルシーも俺にお返しください」

「…分かったよ…」

バレンタインだのホワイトデーだの、天下のマフィアや帝国騎士団がやることじゃないだろ。

何で、誰も突っ込んでくれないんだ。

「平和だってことだよ、ルルシー」

俺の思考を覗いたかのように、アイズレンシアが言った。

「…」

…平和、か。

そのときにはいまいちピンと来なかったが、この後俺は、アイズの言った言葉を痛いほど理解することになるのだった。
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