The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
それにしても。
「わざわざホテルを借り上げなくても…帝国騎士団なら、演習訓練用の宿舎くらい持ってるだろうに」
「そこは一応、政治的配慮って奴じゃないんですか?さすがに、ルティス帝国民が税金を払って運営してる施設を、他国の革命軍のねぐらにする訳にはいかないんでしょう」
「…ホテル貸しておきながら、呆れた配慮だな…」
気持ちが分からんこともないが。
大体、まだ革命軍の情報は表社会では報道されてないだろう。
そんなものが報道されたら一大事だからなぁ。
「…ともかく、帝都に来たからには精々弾除けになるくらいのモノにはなって頂きますよ。うちもそろそろ本格的に、戦争の準備を始めるべきですね」
「…だな」
帝国騎士団としても…他国の革命軍を長々と帝都に置いておきたくはないだろうからな。
付け焼き刃だとしても、一応物にして…戦場に立たせられるくらいにはしなくては。
出来るだけ急ぎたいところではあるが…それなりにかかるだろうな。
…かかると言えば、もう一つ。
「武器の調達についても考えないといけないな。『青薔薇連合会』と、革命軍…全員に武器を行き渡らせるには、いつものルートだけでは厳しい…か?」
「ですね。さすがの我々でもこの短期間に国内だけで武器調達は厳しいところです」
『青薔薇連合会』の革命参戦は、随分と急に決まったことだからな。
こちらもほとんど準備していないし…。
ルレイアなら、剣二本与えておけばいくらでも無双するだろうが…末端の兵士はそうはいかんからな。
ルレイアが化け物なんだよ。
「ですから、不足するぶんはアシスファルト経由で引っ張ってこようと思います。それで事足りるでしょう?」
「成程、それは良いな」
革命とは何の関係もない、隣国アシスファルト帝国経由の輸入なら。
「シャリヤを落としておいて、本当良かった~。格安で武器を調達出来ますよ。うふっ。彼女には定期的に飴を与えておかないといけませんね~」
「…」
シャリヤ・ウィンクロース…。未だにルレイアの毒牙にやられているのか。お気の毒に。
「じゃあ、発注は…『青薔薇連合会』アシスファルト支部に頼むか」
「そうなるでしょうねぇ。戦争において重要な、武器の調達を任せるには…少々頼りないですが」
「確かにな…」
アシスファルト支部の仲間達も、無能という訳ではないが…兵站の一端を任せるには、少々心もとない。
彼らは、ルティス帝国の事情もほとんど知らないだろうからな…。
信頼のおける部下を一人でも向こうにやれたら良いのだろうが…どうしようか。
うーん、と頭を悩ませていた、そのとき。
「失礼します、ルルシーさん」
「うん?」
固いノックと共に、険しい顔をした俺の部下が入室してきた。
「わざわざホテルを借り上げなくても…帝国騎士団なら、演習訓練用の宿舎くらい持ってるだろうに」
「そこは一応、政治的配慮って奴じゃないんですか?さすがに、ルティス帝国民が税金を払って運営してる施設を、他国の革命軍のねぐらにする訳にはいかないんでしょう」
「…ホテル貸しておきながら、呆れた配慮だな…」
気持ちが分からんこともないが。
大体、まだ革命軍の情報は表社会では報道されてないだろう。
そんなものが報道されたら一大事だからなぁ。
「…ともかく、帝都に来たからには精々弾除けになるくらいのモノにはなって頂きますよ。うちもそろそろ本格的に、戦争の準備を始めるべきですね」
「…だな」
帝国騎士団としても…他国の革命軍を長々と帝都に置いておきたくはないだろうからな。
付け焼き刃だとしても、一応物にして…戦場に立たせられるくらいにはしなくては。
出来るだけ急ぎたいところではあるが…それなりにかかるだろうな。
…かかると言えば、もう一つ。
「武器の調達についても考えないといけないな。『青薔薇連合会』と、革命軍…全員に武器を行き渡らせるには、いつものルートだけでは厳しい…か?」
「ですね。さすがの我々でもこの短期間に国内だけで武器調達は厳しいところです」
『青薔薇連合会』の革命参戦は、随分と急に決まったことだからな。
こちらもほとんど準備していないし…。
ルレイアなら、剣二本与えておけばいくらでも無双するだろうが…末端の兵士はそうはいかんからな。
ルレイアが化け物なんだよ。
「ですから、不足するぶんはアシスファルト経由で引っ張ってこようと思います。それで事足りるでしょう?」
「成程、それは良いな」
革命とは何の関係もない、隣国アシスファルト帝国経由の輸入なら。
「シャリヤを落としておいて、本当良かった~。格安で武器を調達出来ますよ。うふっ。彼女には定期的に飴を与えておかないといけませんね~」
「…」
シャリヤ・ウィンクロース…。未だにルレイアの毒牙にやられているのか。お気の毒に。
「じゃあ、発注は…『青薔薇連合会』アシスファルト支部に頼むか」
「そうなるでしょうねぇ。戦争において重要な、武器の調達を任せるには…少々頼りないですが」
「確かにな…」
アシスファルト支部の仲間達も、無能という訳ではないが…兵站の一端を任せるには、少々心もとない。
彼らは、ルティス帝国の事情もほとんど知らないだろうからな…。
信頼のおける部下を一人でも向こうにやれたら良いのだろうが…どうしようか。
うーん、と頭を悩ませていた、そのとき。
「失礼します、ルルシーさん」
「うん?」
固いノックと共に、険しい顔をした俺の部下が入室してきた。