The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
俺の部下であり、『青薔薇連合会』準幹部であるルヴィア・クランチェスカが、非常に険しい顔をしてやって来た。

しかも…嫁、同伴で。

ルヴィアの後ろから、おどおどと混乱した様子のルヴィアの嫁…確か名前はフューニャだったか…が、一緒に入ってきた。

…何故、嫁同伴?

それ以上に…ルヴィアのこの、険しい顔つきはどうしたことか。

世界の終わりみたいな顔をしてるぞ。

一体何事だ?

これには、ルレイアもはてなマークを浮かべていた。同感。

「ルヴィア…どうしたんだ?」

「ルルシーさん…。退院日だというのに、お迎えにも行かず…申し訳ありません」

「え?いや…そんなことは別に良いが」

ルヴィア…相変わらず真面目だな。

「大丈夫ですよ。俺が迎えに行きましたから。愛しいプリンセスのお迎えは、白馬の王子様と相場が決まってますからね」

そして、余計なことを言うルレイア。

誰が白馬の王子だって?

お前、普通に下僕に送らせて来ただろうが。

「それより…どうしたんだ?血相を変えて…」

「…ルルシーさんに、お願いがあって来ました」

「…お願い?」

って、何だ?

ルヴィアのお願いは、俺の予想だにしないものだった。

「ここにいる、フューニャを…俺の妻を、アシスファルト帝国に亡命させてやってください」

「え…?」

俺は死ぬほどびっくりしたし、ルヴィアの嫁も目を見開いていた。

ルレイアだけが、へぇ~みたいな顔をしていた。

そしてルヴィアの目は真剣そのもので、冗談を言っているようには見えなかった。

…ルヴィアの嫁を、アシスファルト帝国に亡命させてくれ…だって?

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