The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「え…でも、俺…え?」

ぽかんとしているルヴィアに、俺は説明をしてやった。

「お前も嫁と一緒にアシスファルトに行け。一緒に行って、『青薔薇連合会』アシスファルト支部を支援してくれ。それが条件だ」

「…!でも…俺は本国で、憲兵局との戦争を…」

「お前をルティス帝国に残しておいたって、どうせ嫁が心配で仕事どころじゃないだろう。だったらお前も一緒にアシスファルトにやって、向こうで俺達のバックアップに集中してくれた方が効率的だ」

その方が…ルヴィアは最大限活きるはずだ。

それに。

「丁度、アシスファルト経由で武器を輸入する為に、向こうに信頼のおける部下を送ろうかって、ルレイアと話していたところだったんだ。お前なら適任だろう」

むしろ、充分過ぎるくらいだ。

ルヴィアなら、裏方仕事でもそつなくやり遂げてくれるだろう。

ルヴィアのポテンシャルを最大限活かしたいなら、彼の憂いを…つまり、嫁の身の安全をきちんと確保して、その上で仕事を命じる必要がある。

そうでなければ、ルヴィアは遠い異国にいる嫁が心配で、戦場に出ても上の空だろう。

ならいっそ、嫁と一緒に後ろに下げて、後方支援に徹してもらった方がよっぽど効率的というもの。

ルヴィアなら…想定外の事態が起きても冷静に、そして適切に対処することだろう。安心して任せられる。

適材適所って奴だ。

「アシスファルト支部の方は頼んだぞ、ルヴィア」

「はい…!ありがとうございます、ルルシーさん」

泣きそうになりながら頭を下げるルヴィアと、その嫁。

全く…仕事を依頼したのに感謝されるなんてな。

正直なところ、ルヴィアが手元にいないのは、俺としては少々心もとないのだが。

心配しなくても…俺には、最強にして最恐にして最凶の、相棒がいるからな。

百人力どころか万人力だ。

後方支援に徹してくれるルヴィアと、その嫁の為にも…早いところ、ルティス帝国と箱庭帝国に、平穏を取り戻さないとな。
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