The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルヴィア

──────…なんとか、ルルシーさんの許可を得ることが出来た。

フューニャだけでも亡命させてもらえれば御の字だと思っていた。

と言うか…何としてでも、それだけは捩じ込むつもりだった。

しかし…俺まで行って良いとは。

心からほっとした。フューニャを争いから遠ざけられる。俺も、フューニャを傍で守ってやれる…。

こんなに幸せなことはない。

「ルヴィアさん…どうして、あんなことを」

ルルシーさんの執務室を出るなり、フューニャは不安げな面持ちで俺を見つめた。

「ごめんな、フューニャ…。でも、俺はフューニャだけは逃がしたかったんだ。結果としては、俺も一緒に行ってやれることになったけど」

「私なんかの為に…」

「何を言ってる。俺はお前なんかの為に、命を捨てても惜しくないんだからな」

フューニャの頭に、ぽん、と手を置いた。

自分の命より大切なものが、俺にはある。

それは幸せなことだ。

「良いか、フューニャ…。戦うことが勇気なら、逃げることもまた勇気だ。自分を恥じることはない」

「…ルヴィアさん…」

「それに俺は、お前が無事でいてくれないと嫌だよ」

フューニャにもしものことがあったら…俺は一生、立ち直れる気がしない。

だから…これで良かったのだ。

「…ルヴィアさん、一つお願いがあるんです」

フューニャは、すがるような目で俺を見つめた。

「ん…?何だ?」

「…」

フューニャのお願いは、俺も予想外なものだった。
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