The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
そして、ようやく出てきたフューニャの言葉は。
「ミルミル…ごめんなさい。私だけ…また、私だけ逃げて。あなたに会わせる顔なんてないと思ってるけど、でも私は…」
「そうか、フューシャ…。アシスファルト帝国に逃げられるのか。それは良かった。本当に」
「…え?」
もしミルミルが、口汚くフューニャを責め、罵ったとしたら…俺はミルミルと喧嘩をしていたことだろう。
しかし。
ミルミルは、心底ほっとしたように微笑んでいた。
「そなただけでも、安全な場所に逃げられるのなら、こんなに嬉しいことはない…。もとよりそなたは戦いには向いておらんのじゃ」
「!ミルミル…!でも、前は私に、革命軍に戻れって…」
「それは、そなたの思い人がマフィアだと知らなかったからじゃ…。革命とは何の関係もない、一般人だと思っておった。でも違うのじゃろう?そなたの抱えるものを、全て理解した上で、そなたを愛してくれる男なのじゃろう?」
「…!」
「ならば何も問題はない。『青薔薇連合会』の準幹部ともなれば…安心して我が親友を預けられる。例え革命が失敗したとしても…そなたが憲兵局の手から逃れて、幸福に暮らしているのだとしたら…それだけで、妾達の勝利じゃ」
ミルミルは、からからと楽しそうに笑った。
心から、友の幸運を喜ぶ笑顔だった。
「本当に良かった、フューシャ…。妾達のことは気にするな。妾はそなたが裏切ったなどとは思わぬ…。どうか元気で…幸せにな。もし革命が成功して、平和を取り戻したら…また妾に会いに来てくれ」
「ミルミル…!」
「ほら、泣くでない…。笑って別れようではないか」
泣き出したフューニャを、ミルミルがそっと抱き締めた。
これには、俺も涙ぐみそうになった。
フューニャ…良かった。
「ごめんなさい、ミルミル…。ごめんなさい…」
「謝る必要などない。妾のことを思うなら、妾のぶんも幸せに生きてくれ。例え革命が失敗しても…そなただけは幸せに生きていると思えば、妾も救われるからな」
ぽんぽん、とフューニャの背中を優しく叩きながら、ミルミルは顔を上げて、俺に向かってこう言った。
「ルヴィア…と言ったな、そなた…フューシャを頼むぞ。妾に代わって、どうかこの子を…守ってやってくれ」
「あぁ、勿論だ」
「もし…もしフューシャを見捨てて、この子を泣かせるようなことがあれば…妾の怨霊が、何処までもそなたを追ってやるぞ。この子が背負っているものを、そなたは受け入れる覚悟があるのか」
「…」
そんなこと。
そんなことは、今更…言うまでもない。
「望むところだ」
フューニャが背負っているもの、全部抱き締めて。
それでも俺は、彼女のことが好きだ。
「…それを聞いて安心した。フューシャ…そなたの思い人は立派な男だな」
「…うん」
フューニャは、涙に目を濡らしながら、それでも微笑んで、胸を張って…頷いた。
「ミルミル…ごめんなさい。私だけ…また、私だけ逃げて。あなたに会わせる顔なんてないと思ってるけど、でも私は…」
「そうか、フューシャ…。アシスファルト帝国に逃げられるのか。それは良かった。本当に」
「…え?」
もしミルミルが、口汚くフューニャを責め、罵ったとしたら…俺はミルミルと喧嘩をしていたことだろう。
しかし。
ミルミルは、心底ほっとしたように微笑んでいた。
「そなただけでも、安全な場所に逃げられるのなら、こんなに嬉しいことはない…。もとよりそなたは戦いには向いておらんのじゃ」
「!ミルミル…!でも、前は私に、革命軍に戻れって…」
「それは、そなたの思い人がマフィアだと知らなかったからじゃ…。革命とは何の関係もない、一般人だと思っておった。でも違うのじゃろう?そなたの抱えるものを、全て理解した上で、そなたを愛してくれる男なのじゃろう?」
「…!」
「ならば何も問題はない。『青薔薇連合会』の準幹部ともなれば…安心して我が親友を預けられる。例え革命が失敗したとしても…そなたが憲兵局の手から逃れて、幸福に暮らしているのだとしたら…それだけで、妾達の勝利じゃ」
ミルミルは、からからと楽しそうに笑った。
心から、友の幸運を喜ぶ笑顔だった。
「本当に良かった、フューシャ…。妾達のことは気にするな。妾はそなたが裏切ったなどとは思わぬ…。どうか元気で…幸せにな。もし革命が成功して、平和を取り戻したら…また妾に会いに来てくれ」
「ミルミル…!」
「ほら、泣くでない…。笑って別れようではないか」
泣き出したフューニャを、ミルミルがそっと抱き締めた。
これには、俺も涙ぐみそうになった。
フューニャ…良かった。
「ごめんなさい、ミルミル…。ごめんなさい…」
「謝る必要などない。妾のことを思うなら、妾のぶんも幸せに生きてくれ。例え革命が失敗しても…そなただけは幸せに生きていると思えば、妾も救われるからな」
ぽんぽん、とフューニャの背中を優しく叩きながら、ミルミルは顔を上げて、俺に向かってこう言った。
「ルヴィア…と言ったな、そなた…フューシャを頼むぞ。妾に代わって、どうかこの子を…守ってやってくれ」
「あぁ、勿論だ」
「もし…もしフューシャを見捨てて、この子を泣かせるようなことがあれば…妾の怨霊が、何処までもそなたを追ってやるぞ。この子が背負っているものを、そなたは受け入れる覚悟があるのか」
「…」
そんなこと。
そんなことは、今更…言うまでもない。
「望むところだ」
フューニャが背負っているもの、全部抱き締めて。
それでも俺は、彼女のことが好きだ。
「…それを聞いて安心した。フューシャ…そなたの思い人は立派な男だな」
「…うん」
フューニャは、涙に目を濡らしながら、それでも微笑んで、胸を張って…頷いた。