The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
次。本日二人目の犠牲者は。

「次はセトナさんにしましょうか」

「!!」

ついに自分が選ばれてしまった…!と呆然とするセトナ。

仮にも、一国の王女…のような立場の彼女が、まさか着せ替え人形にされる日が来るとは。

可哀想にな。

「あなたはそうですねぇ、童顔ですし…むしろ敢えてこの、大胆なワンピースは如何ですか」

ルレイアが選んだのは、胸元と背中が大きく開いた、これまた真っ黒のセクシーなワンピース。

さっきのラシュナのよりも不味い。

ルレイアお前、仮にも一国の王女様に…なんつー服を着せようとしてるんだ。

さすがに不味いだろう。

それなのに、ルレイアだけはお構い無し。

「はい、着てみてください」

「は…はい…」

それでも断れる相手ではない。セトナは震えながらセクシーワンピを手にした。

あまりにも可哀想過ぎる。

「ちょ、ルレイア…!彼女にはもう少し…もう少し、そう、可愛らしいデザインの方が良いんじゃないか?」

王女様がセクシーワンピはさすがに駄目だと、俺は必死にルレイアに抗議した。

この場において、ルレイアに意見出来るのは俺しかいない。

セクシーだろうが可愛らしかろうが、ゴスロリに変わりはないのだから目糞鼻糞だが。

それでも胸元と背中を露出させるよりはまし。

しかしルレイアはいまいち気に入らないようで。

「え~?童顔に可愛い系の服着せたら、ガキっぽくなるじゃないですか。そこは敢えてアダルティ路線を攻めていった方が良くないですか?」

お前は自分がアダルティだからって、他人も皆アダルティだと思ってるだろう。

違うぞ。

「まぁ良いです。他ならぬルルシーの意見ですからね…。じゃ、このフリルたっぷりの、姫系ワンピは如何ですか?」

「あ…はい。…そっちにします…」

セクシーよりは、まだガーリーな方がましなようで。

セトナは、九死に一生を得たみたいな顔で試着室に向かった。




五分後。



「…」

セトナは、恥ずかしさのあまり泣きそうな顔で試着室から現れた。

ラシュナが、その気持ち、分かります…!と目で訴えているのを、見なかったことにした。

必死に視線を逸らしているのはもう一人、ルアリスである。

可哀想に。ルレイアに関わったばっかりに。

「うん、そこそこ似合いますね。気に入りました?」

それなのに、ルレイアは平然とガン見していた。

「そ、そうですね…。私、もう少し大人しめな…」

「俺的にはやっぱりセクシーな方が良いと思いますけどね~。今着てるのとどっちにします?一応セクシーワンピも試着してみて…」

なおもアダルティな方を勧めようとするルレイアに、セトナは半泣きで必死に訴えた。

「い、いえ。私、これ気に入りましたから。こっちにします」

「そうですか~。ま、本人が気に入ったならそれにしておきますか」

…そう言うしかなかったんだろうなぁ。

心の底から…可哀想。

ごめんな、俺…止められなくて。これでも頑張ったんだよ…。
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