The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
翌日。

「うふふ。ルルシーとお揃い~♪お揃いコーデ~♪」

「…」

…結論から言うと。

…逃げられなかった。

俺は悲しくも、ルレイアのゴスロリ服を着せられてしまった。

人生において、こんな格好をさせられる日が来るなんて。

とても辛い。

それなのに、ルレイアだけは超楽しそう。

俺とお揃いだから、嬉しいらしい。

ルレイアが嬉しそうなのは良いけどさ…。人として大事なものをなくしてしまったような気がする。

こんなところ、アリューシャやアイズに見られたら大変だよ…。

…と、思っていたら。

「ちーっすルル公~!遊びに来たよ~!」

タイミング良く、アリューシャがアイズをシュノを引き連れてやって来た。

遊びに来たじゃねぇよ。仕事しろ。

「あっ…」

俺の執務室に足を踏み入れるなり、アリューシャはぴたっ、と固まった。

ルレイアとお揃いのゴスロリ服を着る俺。その横でにこにこしているルレイア。

アリューシャが何を考えているのか、手に取るように分かる。

「…何だよ」

言いたいことがあるなら言えよ。

「大変だ…。大変だアイ公!とうとう!ルル公が!ゴスルレ毒に犯された!」

「何?どういう…。…あぁ」

アリューシャの後ろから、アイズが顔を覗かせた。

彼は俺を見ても、大して驚きもしなかった。

「大丈夫。私は驚かないよ…。いつかこうなるだろうと思ってたからね」

さすがの貫禄を見せる『青薔薇連合会』時期首領。

いつかこうなるだろうと思ってたんなら、そうならないように俺に警告してくれよ。

更に。

「わぁ…。ルルシーも一緒にゴスロリにしたのね。ルレイアとお揃いね。羨ましい…」

何故か羨望の眼差しを向ける、ゴスロリワンピ姿のシュノ。

彼女は既にゴスルレ毒に犯されているからな。この格好に違和感を覚えてない。

「うふふ、シュノさんも可愛いですね~。やっぱりゴスロリは正義ですよね!」

こくこく、と頷く素直なシュノ。

シュノはもう駄目だ。完全にゴスルレ毒にやられている。

俺はまだ一応抵抗しているからな。

「やべぇよ、アイ公。アリューシャ達、逃げた方が良いんでね?このままじゃいつかアリューシャ達も汚染されちまうよ」

「そうだね…。もうまともなのは私達二人だけだね」

「世も末だな!」

ちょっと待て。俺もまだ正常だ。

すると、ルレイアが。

「次のターゲットはアリューシャですね。さて、どんな服を着せましょうか…」

そう言ってにやりとするものだから、アリューシャは飛び上がってアイズの後ろに隠れた。

「やべぇ!アリューシャが!アリューシャが毒に犯される!助けて!解毒剤!解毒剤は何処だ!」

本当…解毒剤、何処にあるんだろうなぁ。

持ってきてくれよ。俺が飲んで、シュノとルレイアにも飲ませるからさ。
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