The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「…」

俺は厳しい目で、訓練の様子を眺めていた。

場所は、帝国騎士団所有の訓練施設。

俺も帝国騎士団時代に、何度か来たことがある忌々しい施設だ。

出来ればこんな施設、ダイナマイト仕掛けて粉々に爆破してやりたいところだ。

それくらい腹が立つ。

そうだというのに、それを我慢して、俺がここに足を運んだ理由は、二つ。

一つ目は、ルルシーがついてきてくれると言うから。

ルルシーが一緒に来てくれるなら、何処に行くのもデートと一緒だ。

そしてもう一つの理由が。

「…如何ですか?ルレイア殿」

ルアリスは、俺の顔色を伺いながらそう尋ねた。

…ぼちぼち、そこそこ。

そう言ってやれれば良かったんだがな。

お世辞にも、そんなことは言えない。

「お宅の兵士は…あれですね。羊の群れも同然ですね」

他に、何と言ってやれば良いのか。

『青薔薇連合会』と『青薔薇解放戦線』は、同じ戦場で共に戦う同志となる存在。

だからこうして、『青薔薇解放戦線』の訓練に、『青薔薇連合会』代表の俺とルルシーも足を運んだ訳だが。

こんな有り様なら、見ない方が良かったくらいだ。

隣のルルシーも、これには渋い顔。

俺の毒舌を止めようとしない辺り、彼も内心ではそう思っているに違いない。

他にどう表現すれば良いのか分からない。
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