The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルルシー

──────…ルレイアが、またアホなことを言い始めた。

「俺と勝負しましょう、ルアリスさん」

「え…!?」

ルレイアと勝負、だって?

ルアリスになんて酷なことを。俺だって気が進まないくらいなのに。

「別に殺しやしませんよ。あなたの実力を見ておきたいだけです」

「し…しかし俺は…とてもじゃないですけど、ルアリス殿には敵いませんし…」

「当たり前でしょう。俺に敵うはずがないのは分かってますよ。その上で俺の足元に及ぶか、膝くらいには及ぶのか、確かめておきたいだけです」

…とんでもない上から目線。

だが実際、ルレイアにはそれだけの実力があるのだ。

「それともあなた、俺に挑む勇気もなく、革命なんてやろうとしてるんですか?」

「!」

そう言われて、ルアリスの目の色が変わった。

彼にとってはプライドが傷つけられたようだが…。

…ルレイアに挑む勇気なんて、ない方が身の為だと思うぞ。

俺だってない。

「…分かりました。じゃあ…お願いします」

「うふふ。そう来なくては。…ルルシー、審判頼みます」

「あぁ」

ルレイアとルアリスは、それぞれ訓練用の木刀を手にした。

ルレイアはいつも通り二本。

ルアリスは一本だが、彼のあの木刀。

刀身の長さから見て、あれは太刀かな。

銃火器の時代に太刀とは。腕に覚えがあるということらしい。

見慣れぬ太刀ではリーチが図りづらいだろうに、ルレイアはちっとも臆した様子はなかった。

それどころか、こっちを振り向いてへらへらしていた。

「ルルシー、俺を応援しててくださいね」

「はいはい…」

お前、応援するまでもなく強いだろうが。

「程々にしてやれよ、ルレイア」

「はーい」

手加減が足りなくて怪我をさせたら大変だな…と思いながら。

俺は二人の真ん中に立った。

「二人共…準備は良いな?」

「俺はいつでも良いですよ~」

「大丈夫です」

ルレイアは当然…ルアリスも覚悟を決めたようだ。

じゃあ…やるか。

「始め!」

俺の合図と共に、両者が動き出した。
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