The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルレイア

────…ルアリスが帰った後で。



「…珍しいな、ルレイア…。お前が人助けとは。明日は槍でも降るのか?」

と、ルルシー。

全く。心外である。

「ひどーい。俺は良い大人だから、いつだって若い人を助けてあげるんですよ?」

「嘘つけ」

どの口で言ってんだ、とルルシーはジト目で俺を睨んだ。

あぁ素敵。その目が大好き。

とはいえ…自分でも珍しいことをしたなーとは思っている。

いつもなら、あんな奴がどうなろうと知ったことじゃないからな。

それなのに助けてあげたのは、確かに彼の素直な姿勢が気に入ったというのもあるのだけど。

「…どーにもあのルアリスって子、他人のように思えないんですよねぇ」

忘れてきた、遠い過去の自分のような…そんな気がしてしまう。

そんなことがあるはずがないのだけど。

「ルレイア…?」

「だからまぁ…気紛れに助けてあげてみました。別段深い意味はありませんよ」

人助けなんて、俺の趣味じゃないしな。

多分もうしない。

それなのに今日そんなことをしたのは…やっぱり、ただの気紛れだ。

「そんなことよりルルシー、俺と大人デートしましょう」

「断る」

「も~…。我が儘なんだから」

「自分に言ってるのか?」

本当シャイなんだから、困ったものだ、ルルシーは。
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