The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
sideルルシー
─────…その頃。『青薔薇連合会』では。
「…ふーん…。そりゃ良いお話ですねぇ…」
「…ルレイア…お前な…」
俺とルレイアは、テーブルの上にスピーカーと小型モニターを置いて、その様子を見物していた。
「聞きました?今の。『不甲斐ない仲間かもしれませんが、どうか俺達を導いてください』だって。この期に及んで導いてもらわなきゃ動きません宣言ですよ。あぁ嫌だ嫌だ。こういう使えない部下は煮ても焼いても何の役にも立ちやしない。いっそバラして内臓売り飛ばした方が世の中の役に立つというものですよ」
「…言い過ぎだぞ、ルレイア…」
盗聴してる癖に、何でお前はそんなに偉そうなんだ。
そもそも、何故盗聴してるのか。
俺は、昨日の午後のことを思い出した。
昨日の午後、いつも通りルレイアが遊びに来たかと思ったら。
ルレイアは、にこにこしながらスピーカーとモニターを俺のデスクの上に置いた。
「…何だ?それ」
尋ねた俺に、ルレイアはあっけらかんとして答えた。
「え?盗聴器」
「…」
「昨日ルアリスに仕込んだんですよ。面白そうだし、一緒に聞きましょうよ~」
ねぇねぇ、『ポテサラーズ』のライブ聴きに行こうよ!みたいなノリで。
さらっととんでもないことを言った。
「…何で盗聴?」
「え?結局あいつ、どうするのか気になって」
「…」
珍しく、親切なことをしたもんだなぁと思ったらこれだよ。
やっぱり悪い大人だ。皆、こうなっちゃいかんぞ。
こいつは、悪い見本だから。
…で、そんな経緯で昨日のルアリスの演説を聞き。
その翌日、つまり今日…再び盗聴してみたら、これである。
ルアリスからしたら、感動の瞬間だったに違いない。
その様子をまさか…実況生中継されてるとは思わないだろうなぁ。
本当に申し訳ない。
俺だって、見たくて見てるんじゃないんだぞ。
大体、いつの間に盗聴器なんて仕掛けたんだよ。
油断も隙もない男だ。
「いやはや、泣けますねぇ、ルルシー。お涙ちょうだいですよ。ぷぷぷ。昨日の演説も大笑いしましたけど、今日のも一段と面白い。こんなエンターテイメントは他にありませんよ!」
「…」
悪趣味も良いところだな、お前は。
ルアリス…。本当ごめん。
俺は心の中で、相棒の悪行をルアリスに謝罪した。
「…ともかく、『青薔薇解放戦線』が再びやる気を取り戻したのは良いことですよ。弾除けにもならないなら、いっそ爆弾抱えて飛び込ませようと思ってましたけど…その必要はなくなりましたね」
にこっ、と屈託なく微笑むルレイア。
笑って言うことじゃないだろうに…。お前って奴は。
それ、本当にやるつもりだったろ。
「あとは、こいつらが物になるまで待つだけですね」
「そうだな」
そうしたら、ようやく革命が本格化して…、
「あ、でもその前に…彼らにはまだ足りないことがあるんですよねぇ」
「…?」
「俺は超良い大人なので、未熟な子を見ていると手助けしてあげたくなるんですよ」
「…」
…無断で盗聴してる人が、なんか言ってる。
はぁ…また、嫌な予感がするなぁ…。
「…ふーん…。そりゃ良いお話ですねぇ…」
「…ルレイア…お前な…」
俺とルレイアは、テーブルの上にスピーカーと小型モニターを置いて、その様子を見物していた。
「聞きました?今の。『不甲斐ない仲間かもしれませんが、どうか俺達を導いてください』だって。この期に及んで導いてもらわなきゃ動きません宣言ですよ。あぁ嫌だ嫌だ。こういう使えない部下は煮ても焼いても何の役にも立ちやしない。いっそバラして内臓売り飛ばした方が世の中の役に立つというものですよ」
「…言い過ぎだぞ、ルレイア…」
盗聴してる癖に、何でお前はそんなに偉そうなんだ。
そもそも、何故盗聴してるのか。
俺は、昨日の午後のことを思い出した。
昨日の午後、いつも通りルレイアが遊びに来たかと思ったら。
ルレイアは、にこにこしながらスピーカーとモニターを俺のデスクの上に置いた。
「…何だ?それ」
尋ねた俺に、ルレイアはあっけらかんとして答えた。
「え?盗聴器」
「…」
「昨日ルアリスに仕込んだんですよ。面白そうだし、一緒に聞きましょうよ~」
ねぇねぇ、『ポテサラーズ』のライブ聴きに行こうよ!みたいなノリで。
さらっととんでもないことを言った。
「…何で盗聴?」
「え?結局あいつ、どうするのか気になって」
「…」
珍しく、親切なことをしたもんだなぁと思ったらこれだよ。
やっぱり悪い大人だ。皆、こうなっちゃいかんぞ。
こいつは、悪い見本だから。
…で、そんな経緯で昨日のルアリスの演説を聞き。
その翌日、つまり今日…再び盗聴してみたら、これである。
ルアリスからしたら、感動の瞬間だったに違いない。
その様子をまさか…実況生中継されてるとは思わないだろうなぁ。
本当に申し訳ない。
俺だって、見たくて見てるんじゃないんだぞ。
大体、いつの間に盗聴器なんて仕掛けたんだよ。
油断も隙もない男だ。
「いやはや、泣けますねぇ、ルルシー。お涙ちょうだいですよ。ぷぷぷ。昨日の演説も大笑いしましたけど、今日のも一段と面白い。こんなエンターテイメントは他にありませんよ!」
「…」
悪趣味も良いところだな、お前は。
ルアリス…。本当ごめん。
俺は心の中で、相棒の悪行をルアリスに謝罪した。
「…ともかく、『青薔薇解放戦線』が再びやる気を取り戻したのは良いことですよ。弾除けにもならないなら、いっそ爆弾抱えて飛び込ませようと思ってましたけど…その必要はなくなりましたね」
にこっ、と屈託なく微笑むルレイア。
笑って言うことじゃないだろうに…。お前って奴は。
それ、本当にやるつもりだったろ。
「あとは、こいつらが物になるまで待つだけですね」
「そうだな」
そうしたら、ようやく革命が本格化して…、
「あ、でもその前に…彼らにはまだ足りないことがあるんですよねぇ」
「…?」
「俺は超良い大人なので、未熟な子を見ていると手助けしてあげたくなるんですよ」
「…」
…無断で盗聴してる人が、なんか言ってる。
はぁ…また、嫌な予感がするなぁ…。