The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「国の中枢を担うつもりなら、ある程度の知識と教養がなくてはいけません。それで?今のあなた達に、そんな知識がありますか?…答えは明白ですね?」

「…」

もごもごと口ごもるルアリス。

どうやら、武術の心得はあれど、お勉強の方はいまいち自信がないようだ。

見るからに脳筋だもんな。

「それでも一応…箱庭帝国の基準では、二人共かなり高水準の教育を受けていますが…」

苦し紛れにそう訴えてきたものの。

それがどうした。

「箱庭帝国の高水準なんて、ルティス帝国の小学生レベルですよ」

「…」

まぁ、箱庭帝国の学校がどんなカリキュラムなのかは知らないけどな。

そういや、俺もまともな小学校生活送ってないから人のこと言えないんだった。まぁ良いや。

「とにかく、あなた方はもう少し勉強というものをするべきです。知識はあって困るものじゃありませんからね」

「…確かに…そうですね」

素直に頷くルアリス。よしよし。

あとルルシー、「こいつ、真面目なこと言ってる…」みたいな顔でこっちを見ないで。

俺はいつだって、こんなに真面目なのに。

決して、暇を持て余したからちょっと面白そうなことを閃いただけとか、そういう理由じゃないぞ。

俺は良い大人だからな。

「でも…ルレイア殿」

「何ですか?」

「勉強しなければならないのは分かりましたが…どうやって勉強すれば良いんですか?学校に行くという訳にもいきませんし…」

その通り。

でも、心配は要らない。

何故ならここに…天才がいるからな。

「それは大丈夫。俺が教えてあげますよ」

「…え」

あなたが?とでも言いたそうだな。

そう、俺だよ。

「あなた今、俺を馬鹿にしましたね?こいつにそんなこと出来るの?なんて思いましたよね」

「え、ち、ちが…。そんなことは」

「俺を馬鹿にしてると痛い目を見ますよ…。俺はこう見えても、元帝国騎士官学校の首席卒業生で、おまけに人生で高校生を二度やった男ですからね。お勉強は完璧ですよ」

「…??」

事情がよく分からないらしいルアリス。まぁそれは良いとして。

とにかく俺は、頭はそこそこ良いのだ。

超英才教育受けてきたからな。

「俺は教え方超上手いですよ。猿に連立方程式教えることも出来ますから」

「嘘つけ…」

ルルシーが何かを呟いていた。聞こえなかったことにした。

「そういう訳なので、俺が教えてあげます」

「そ、そうですか…。ありがとうございます。じゃあ…お願いします」

「えぇ」

俺の授業を受ければ、どんな落第生も帝国騎士官学校を首席で卒業出来るぞ。

ただし、そこまでついてこれれば…の話だがな。
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