The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルアリス

──────…ルレイア殿達が見ている手前、あまり顔には出さなかったが。

49点という試験結果に、俺は死ぬほど自分に不甲斐なさを感じていた。

ルティス帝国仕様の問題も含まれていたとはいえ…セトナ様が70点以上取っているのに。

一応俺だって、箱庭帝国ではかなり高水準の教育を受けたはずなのだ。

それなのに、この不甲斐ない点数。

ルレイア殿に笑われても仕方ない。

よく考えたら、この結果はある意味で当然であった。

今まで俺は、太刀の訓練は頑張ってきたけど、勉強はそんなにしてこなかった。

元々勉強は得意じゃないのだ。一通りはしたけど、自主的に勉強なんてしたことはないし、少々点数が悪くても気にしなかった。

それに、俺に勉強を教えてくれた家庭教師も…憲兵局の長官の息子相手に、小言を言うなんて危険なことはしなかった。

俺が父にあることないこと言いつけたら、父は簡単にその家庭教師をクビにするだろう。

文字通り、首が飛ぶ訳だ。

そのせいで、今まで真面目に勉強なんかしてこなかった。

そして、そのツケが今、回ってきた。

俺は高度な教育を受けているはずなのに、一般教育しか受けていないラシュナやミルミルと、あまり変わらないのだから。

恥ずかしくて、不甲斐なくて仕方ない。

こんな体たらくで、革命軍のリーダーだなんて。

馬鹿な指導者についていきたい者が何処にいる。

酷いショックを受けた俺は、ルレイア殿に渡された「50点以下の為の問題集」を、真剣に解いた。

せめて、あのテストで80点以上を取れるようにはならなくては。

ルレイア殿の言う通りだ。馬鹿に国作りなんて出来ない。

馬鹿が作った国なんて、ろくなものにならない。

だから俺は、もっと勉強しなくてはいけないのだ。

政治の勉強の前に、まずは一般教養を。

そう思って、俺は真剣に問題に取り組んだ。
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